【IT風土記】広島発 銀行をインバウンドの窓口に 音声翻訳サービスで多言語対応
更新広島県は、原爆ドームと厳島神社という2つの世界遺産があり、多くの観光客が訪れる日本屈指の観光地だ。2016年にアメリカのオバマ大統領(当時)が広島平和記念公園を訪れ、核兵器廃絶を訴えたことをきっかけに海外での知名度が上昇。この年、広島を訪れた外国人観光客の数は初めて200万人を突破、14年に比べ約2倍に増えた。
特徴的なのは、欧州や米国など欧米系の外国人が過半数を占めていることだ。東京や大阪では、中国人や韓国人の観光客ばかりが目につくが、原爆ドームや平和記念公園の周辺を歩くと、逆に見つけるほうが難しい。それだけに市内の他の観光案内所でも英語ができるスタッフを置いている反面、中国語や韓国語への対応が不十分だという。「主要な国々の言語に対応できるスタッフを揃えるのがベストですが、スタッフの確保は難しい面があります。中国や韓国からの観光客の増加が予想される中で、ICTを活用することで、中国語や韓国語にも対応できる環境を整えました」と杉本マネージャーは胸を張った。
“銀行らしくない”店舗づくりに貢献
銀行の店舗に外国人観光客向けの観光案内所を設けるのは全国的にも珍しい取り組みだ。広島銀行営業統括部チャネル・ネットワーク企画室の竹島智文室長は「ICTやAI(人工知能)の広がりなどで私たちを取り巻く環境が大きく変化しています。その中で、『銀行らしくない店舗』づくりにチャレンジしたかったのです。海外の観光客に広島のよさ、瀬戸内の良さを知ってもらうことは地方創生の観点からも意義があると考えました」と説明する。観光案内所の開設から融資など本来の銀行業務にとどまらない新しい形での地域経済へのサポートのあり方を模索しているのだ。そして、多言語音声システムは、そんな広島銀行のチャレンジを手助けしてくれる機能も備えているという。





