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【IT風土記】三重発 アコヤ貝の“声”を読み解き海の異変を察知「貝リンガル」

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 研究を進める中で、まるで言葉を話しているように海中の状況によってアコヤ貝の反応に違いがあることも分かってきた。アコヤ貝は正常な状態で1時間に1~2回開閉するだけ。ところが、ヘテロカプサが発生すると、貝は一時間に何度も開閉を繰り返す。一方、貧酸素の状況では、一定間隔で開閉する。赤潮の種類によっても開閉の仕方にも違いがあるという。現在、研究所が解析した貝の“声”は10種類を超すという。

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 実用化当初は旧式の通信回線を利用していたため、通信費だけで月50万円もの費用がかかっていたという。それでも24時間態勢での監視を続けていた。「ヘテロカプサ赤潮による被害のことを考えれば、それだけの費用をかける意義がある取り組みでした」と岩橋副所長。通信技術の向上による通信費は大幅に低下し、監視コストは大幅に削減できているという。

 感度抜群、今後の応用は

 貝リンガルの性能には、三重県水産研究所も一目置く。「貝リンガル」の情報を週に1回、ミキモトから提供を受け、インターネットで県内の養殖業者向けに発信している。提供を受けているのは、最も早くへテロカプサが発生する地点とされる湾奥に設置された「貝リンガル」の情報だ。

 県水産研究所企画・資源利用研究課の津本欣吾課長兼研究管理監は「われわれもこの情報を確認した上で、船で海水を採取して確認しています。被害の恐れがあるような密度でヘテロカプサがみつかった場合、監視を強化して注意喚起しています」としている。

三重県水産研究所企画・資源利用研究課の津本欣吾課長

三重県水産研究所企画・資源利用研究課の津本欣吾課長

このニュースのフォト

  • アコヤ貝から生まれた真珠(ミキモト提供)
  • ミキモト真珠研究所がある同社の多徳養殖場。高台には御木本幸吉が晩年を過ごした住まいが今も残っている
  • ミキモト真珠研究所の岩橋徳典副所長
  • 多徳養殖場に設けられた貝リンガル。ブイの上に太陽電池が設置され、電力が確保されている
  • 貝リンガルのブイの下には、センサーを取り付けたアコヤ貝が網に入れられ、海に沈められている
  • 三重県水産研究所企画・資源利用研究課の津本欣吾課長
  • 英虞湾で50年以上にわたり真珠養殖を手掛ける中井義久さん。真珠養殖の苦労を話してもらった

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