SankeiBiz for mobile

都市高度人材、副業で地域担う 報酬こだわらずスキル提供、地元企業の“救世主”に

記事詳細

都市高度人材、副業で地域担う 報酬こだわらずスキル提供、地元企業の“救世主”に

更新

 副業を解禁する企業が増える中、都市部で働く正社員を中心に、磨いてきたスキルと豊富な経験を地方企業に提供する動きが出てきた。報酬にあまりこだわらず、帰省や趣味などで行く機会を捉えたり、興味を持つ土地に出かけたりして副業を行うことが多く、業務を任せられる優秀な人材を募集しても集まらない地方企業にとって願ったりかなったり。都会から地方への人材還流は、人口の減少と流出に悩む自治体も地域活性化につながると歓迎する。

<< 下に続く >>

 ホテルの営業戦略

 会計ソフトのfreee(東京都品川区)でマーケティングを担当する水野剛氏(35)は今年3月から週末を利用して月2回、岩手県八幡平市の温泉ホテル「いこいの村岩手」に通う。ホテルが求める「営業戦略の強化」に、本業で培ったスキルが生かせると判断、副業先に選んだ。報酬は月5万円と宿泊費無料だ。

 「地元への貢献も(選んだ理由として)あった」。郷里の岩手県盛岡市で父親がシステム会社を経営しており、近い将来に後を継ぐ意思をもつ。「地元の先輩経営者の教えを請うたり、中小企業経営を経験したりする絶好の機会になると思った」という。

 いこいの村では営業戦略にとどまらず、経営ビジョンの策定も任された。社長と従業員の間の意思疎通がうまくいっていないと感じた水野氏は従業員と一緒になって新たなビジョンを決めた。さらに5カ年の営業計画づくりにも参画しており「当初の想定とはかなり違う」副業活動を楽しむ。

ランキング

Facebook Messanger登録

あなたに合わせたニュースを毎日お届け

Facebook Messangerを登録した時のイメージ画像です