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「イタリア人は孤独が苦手」は過去の話? 増えるランナー人口、一方サッカーは…

安西洋之

 スポーツが日常の活動のなかにより組み込まれ、それが街の風景をも変えてきた。ファッションもその1つで、1990年代前半のトリノで川岸を散歩する紳士たちは、ネクタイにジャケットを着ていた。それが今ではスポーツファッションが日常着になっている。

 そしてもう1つ大きな変化は、サッカーがイタリア人の定番の話題から徐々に脱落してきていることではないかと思う。「俺、サッカーには興味ない」と堂々と言う場面が普通になっている。息子の高校での話を聞いても、クラスでサッカーの話題は期待するほど盛り上がっていない。

 もちろん今もサッカーのことばかり話している人は、バールにも床屋にもいる。しかしスポーツへの関心が、自らの実践に向かい、多くの種目に散らばっているのは確かである。

 さてイタリアでのこれらの変化を見ていて、いくつかの点を考えている。特に、孤独をイタリア人が苦手とするかどうか、という点だ。村上春樹が指摘した部分である。

 実は他の連載のために、ミラノの何人かの人たちに私生活の過ごし方をいっぺんに聞いてみたのだが、まず孤独であることに対してかなり耐えられる、というのが分かった。もともと面白そうな人をみつけて聞いているからなのだろうが、こういう人たちは、1人でいるのを嫌がるタイプではない。

 かといって喋るのが嫌いとはとても思えない。しかしそれをもって、社交的であるとは判断できない。

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