仕事・キャリア

そのスケジュール管理に無駄はないか? 手帳は選び方よりも「使い方」が大事

常見陽平

 時間管理でこだわりたいのは、「何」に「どれだけ」時間をかけるかということだ。自分にとってもっとも大事なことに、一番時間をかけるということができているか? 当たり前のようで、できていない人も多いのではないか。意識したい。

 「可処分時間」がどれだけあるのかも把握しておきたい。グループウェアでスケジュールが社内で開示される時代ではあるが、時間のへそくりも用意しておきたいところだ。

 私がこだわっているのは、「時間が美しく流れているか」という点である。移動に無駄がないか、同じことが連続して疲弊しないかという点にはいつも気を使っている。アポを同じエリアや沿線に集中させるなども一つの手である。

 なお、手帳はこれからの予定を管理するためのものだけではない。今までの歩みを確認するツールである。年末年始は手帳を読み返すことをオススメする。自分が何にどれだけ時間をかけたかが分かるからだ。自分の時間の無駄遣いぶりに気づくことだろう。読み返してみると、ペンディングになった案件、タイミングが合わず没になった案件に気づくこともある。これはビジネスのチャンスである。すぐにアプローチしよう。

 手帳は予定だけでなく、日々の発見、気づきを記録するツールでもある。これも日毎に記録し、読み返すと効果的だ。

 なお、私はGoogleカレンダーとは別に、デジタル、アナログともに、「ネタ帳」を用意している。何かで使えそうな面白い発見や、その時、考えていることをこれに書きなぐり、読み返す。ネタ帳は芸人や漫画家のためのものだけではない。ビジネスパーソンこそ使うべきだ。

 このように、手帳は何を使うかよりもどう使い倒すかが大事だ。新時代の使い方として意識しよう。

【プロフィル】常見陽平(つねみ・ようへい)

常見陽平(つねみ・ようへい)千葉商科大学国際教養学部専任講師
働き方評論家 いしかわUIターン応援団長
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。リクルート、バンダイ、クオリティ・オブ・ライフ、フリーランス活動を経て2015年4月より千葉商科大学国際教養学部専任講師。専攻は労働社会学。働き方をテーマに執筆、講演に没頭中。主な著書に『なぜ、残業はなくならないのか』(祥伝社)『僕たちはガンダムのジムである』(日本経済新聞出版社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)など。

【働き方ラボ】は働き方評論家の常見陽平さんが「仕事・キャリア」をテーマに、上昇志向のビジネスパーソンが今の時代を生き抜くために必要な知識やテクニックを紹介する連載コラムです。更新は原則隔週木曜日。

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