IT風土記

熊本発 防災対策を新しい観光資源に VR、AIで阿蘇火口を「見える化」

 日本最大級のカルデラ地形を形成する阿蘇山は、熊本県で最も人気が高い観光エリアだ。山頂まで広がる草原は季節によって彩りを変え、訪れた人たちの心を和ませる。麓から眺めると壁のように迫る外輪山。その尾根沿いに伸びる県道「ミルクロード」は絶景の展望スポットが点在する。阿蘇山の中心に位置する中岳は、いまも活発な火山活動を繰り広げている。火口間近まで足を踏み入れることができる世界的にも珍しい火山で、国内外から多くの観光客が訪れている。

臨場感たっぷりの中岳火口映像

 そんな中岳の魅力をVRで体験できるアトラクションが4月1日から阿蘇火山博物館ではじまる。ヘッドマウントディスプレイと呼ばれる視聴用のゴーグルを装着すると、そこには中岳火口が広がる。左右には切り立った火口が迫り、視線を落とすと、火口の底にたまった青緑色に輝く湯だまりが見えてくる。上を向くと、もくもくと沸き立った蒸気が晴天の空に広がっていく。

 「これで中岳の火口の素晴らしい眺めをいつでも観光客に見てもらうことができるようになった。阿蘇観光の新たな魅力になってくれると期待している」。こう語るのは、博物館を運営する阿蘇火山博物館久木文化財団の岡田誠治常務理事だ。

 阿蘇火山博物館は中岳から3キロほど離れた烏帽子岳の北麓、「草千里」と呼ばれる草原の中にあり、阿蘇山に関する火山活動や地形地質、動植物、歴史民俗などに関するさまざまな資料が展示されている。学術面、防災面の研究・調査を行う拠点にもなっている。天候や火山ガス規制にかかわらず、いつでも火口見学を疑似体験できるよう、このサービスの提供を始めた。

※VRで体験できるアトラクションは、熊本県商工観光労働部観光物産課が今年度実施した「阿蘇山上観光VR体験環境整備事業」の成果です

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