趣味・レジャー

平成の現場を歩く(1)ジュリアナ東京 バブリーの象徴、今や史跡に

 女性客の露出に呼応するように「見物」目当ての男性が増えてゆく。警察の指導を受け、5年11月から年末にお立ち台を撤去。大人のディスコとして再生を図るも客足は遠のき、6年8月31日、短い歴史に幕を下ろした。

 跡地となったビルの1階は現在、世界展開する広告会社のオフィスとして使われている。現代的にリノベーションされていたが、社員が打ち合わせなどに使うラウンジにはミラーボールが輝いている。「ジュリアナ東京へのオマージュとして、私たちが後から設置したものです」と教えてくれた。お立ち台の奥にあった大きな柱は健在だった。

 一方、港区と住民有志が発行する地図「芝の歴史さんぽ道」を広げると、薩摩藩屋敷跡などの名所旧跡に並んで「ジュリアナ東京跡」が記されている。

 兵どもが夢の跡…。儚(はかな)くもきらびやかな伝説は、いつしか「平成の史跡」になっていた。(重松明子)

 ジュリアナ東京 日商岩井と英国のレジャー企業ウェンブリーの共同出資により、「トレンディーなウオーターフロント」として注目の芝浦に開業。総面積1200平方メートル。最盛期は毎月2億円以上を売り上げ、大みそかには一夜で5千人超が詰めかけたという。企画・プロデュースは開業時まだ29歳の日商岩井社員、折口雅博氏。防衛大卒の異能ビジネスマンとして時代の寵児となった。

     

 平成がまもなく終わる。首都東京で起きる出来事はその時代を映し出す。記者がニュースとなった現場を歩いた。

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