受験指導の現場から

「算数が苦手」にもいろいろ 答案用紙からここまでわかる子供の弱点

吉田克己
吉田克己

 「勘で答える」タイプが一番危険

 (3)は割愛して、最後に(4)のタイプについて触れたい。 たまに、高得点を取ることよりも解答欄を埋める、あるいは早く終わらせることに意義を見出しているかのような生徒がいる。(4)のタイプの多くがそれであるが、じつは、中学受験に際して最も望み薄なのがこのタイプである。「正答率が低い」タイプBの中でも最も性格に依るところが大きく、講師のアドバイスに対してもあまり聞く耳を持たず、行動面まではなかなか変わらない。

 筆者は、そういう生徒は「クラスに必ず1名はいる」との実感を持っているのであるが、クラス内のテストの時に机間を見回りながら、早く解き終わった?(ように見える)そういう生徒に、「なんでこの答えになるの?」と聞くと、必ずと言っていいほど、「ん? カン」と返ってくる。

 このタイプの生徒は、知識の詰め込みはできても、性格的にじっくり考えるということができない。けっして、頭の回転が悪いわけではないのであるが(実際、計算が遅いということはない)、筋道立てて考えを進めるという癖がなかなかつかない。それを小学5~6年生の2年間ほどのあいだにがらりと変えられるかと言えば……正直、難しい。現実として、筆者の知る限り、「ん? カン」と答えた小6生で第一志望に受かった子はいない。

 もし、自分の子供が(あるいは小学生の頃の自分が)このタイプだなと思ったら、塾に通い始める前から、我が子の「説明力」を意識してはどうだろう。説明するためには、当然、よく考えて頭の中を整理しなければならない。授業中、積極的に手を挙げた生徒であっても、説明させてみると、途中からしどろもどろになってしまうことは多い。親と仲良く話ができる年頃のうちに、勉強に関する親の「なぜ?」に対して、子供が面倒臭がらず積極的に説明をするようになってくれれば、きっと次につながるはずである。

吉田克己(よしだ・かつみ)
吉田克己(よしだ・かつみ)
京都大学工学部卒。株式会社リクルートを経て2002年3月に独立。産業能率大学通信講座「『週刊ダイヤモンド』でビジネストレンドを読む」(小論文)講師、近畿大学工学部非常勤講師。日頃は小~高校生の受験指導(理数系科目)に携わっている。「SankeiBiz」「ダイヤモンド・オンライン」で記事の企画編集・執筆に携わるほか、各種活字メディアの編集・制作ディレクターを務める。編・著書に『三国志で学ぶランチェスターの法則』『シェールガス革命とは何か』『元素変換現代版<錬金術>のフロンティア』ほか。

受験指導の現場から】は、吉田克己さんが教育に関する様々な情報を、日々受験を志す生徒に接している現場実感に照らし、受験生予備軍をもつ家庭を応援する連載コラムです。更新は原則第1水曜日。アーカイブはこちら

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