これがうまくいけば、彼らが掲げるように、銀行業がAIにより高度化され、多くの業務が自動化されて、店舗のデジタル化によるペーパーレス化やキャッシュレス化が進むことが期待されます。さらに、インターネットバンキング機能が強化され、高度なUI/UXが実装されることで地域に根ざした利便性の高い銀行サービスが近い将来本当に実現するかもしれません。
この研究・開発の試みの結果、すでに参加行6行でAIを活用した銀行内デジタル文書検索システムが導入・実働されており、実効性の高いプロジェクトで地銀の未来を占う上では重要な試みなのではないかと思います。
このフィンクロス・デジタルと同様の動きも見られます。フィンテックの調査や研究、フィンテック活用の金融サービスの開発を行う「T&Iイノベーションセンター」の設立(2016年7月)、「ForeVision」の設立(2019年2月)も、複数の地方銀行が参加しており、フィンテックの潮流に合わせて行こうとする流れだと思います。
次回の後編では、僕が個人的に注目している地銀とアプリの組み合わせなどについてご紹介したいと思いますので、楽しみにしていてください。
【フィンテック群雄割拠~潮流を読む】は甲斐真一郎さんがフィンテックと業界の最新事情と社会への影響を読み解く連載コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら