近ごろ都に流行るもの

「PA(ピーエー)って何者?」(下)「自分らしい死」願い支える“看取り屋”

 「先生」でないからこそ声をかけやすいPAは、無資格の医療従事者。生活上の要望や不安だけでなく、「人工呼吸器を使いたくない」など医療上の求めも把握し、医師や看護師、介護事業者などにつないで調整する。最期まで生きる環境を整えることが仕事だ。

 「患者と家族が遠慮しているうちに、大切な最期の時間が過ぎ去ってしまう。そんな亡くなり方でいいのか」。やまと診療所(東京都板橋区)の安井佑院長(39)は、6年前に在宅医療専門診療所を立ち上げるなかで、「患者と家族に踏み込む医療人」として、4年前から独自にPAを育成している。

 同時期にペットショップ店員から転じた佐々木優さん(33)は、見習いとして働き始めて1カ月で看取りに立ち会った。医師の死亡確認に同行。涙する家族を前に何もできない申し訳なさとともに、人のために本気で働ける仕事だと感じた。「その方らしい生をまっとうできるよう、寄り添うことが僕たち『看取り屋』のプライドです」

 大学卒業後事務職として働いていた山内美郷さん(28)は、父親が最期を過ごしたホスピスの職員の仕事ぶりに感動。「資格のない私にもできることはないか」と就職情報を探してPAを知った。「また次に会えるかわからない患者さんと向き合い、仕事には常にスピード感が伴う。ご遺族から『いい生活ができた』といわれたとき、PAになった喜びを感じた」。目標を尋ねると、「結婚してママさんPA第1号になること」。はにかみながら答えた。

 学歴・職歴不問で、同診療所で採用したPAは4年間でおよそ50人にのぼるが、このうち20人ほどがすでに退職した。経験豊富な看護師がPAとして入社したものの、なじめずに辞めてしまったケースもあったという。

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