近ごろ都に流行るもの

「PA(ピーエー)って何者?」(下)「自分らしい死」願い支える“看取り屋”

 見習い期間の3年間に行う座学教育では、死生観の考察を重視し「医療人としての質を高める」と安井院長。その間の基本給は週5日勤務で月25万円。一人前として「認定」されると30万円に上がり、当直などの諸手当を含めた年収は550~600万円。10年後にはPA150人体制を目指している。

 国の統計によると、平成29年の死亡者数は134万人で、令和22(2040)年をピークに、さらに30万人以上の上乗せが推計されている。病院のキャパシティー不足、医療費削減の問題からも終末期の在宅医療の拡充は社会的な要請である。

 横浜市内に5月、在宅医療専門の「アーチクリニック」を開いた関根一真院長(35)は、やまと診療所の非常勤医師として働いた経験がある。

 大病院へ行くことを勧めた患者の表情を感じ取ったPAが、病院に対するストレスの大きさを聞き出してくれたことがあったといい、「終末期は医学的判断よりも、本人の望む生き方をかなえることが大切。ケアの充実には多面的な視点が必要になる」と、自らも独自のPA育成に乗り出している。

 今後、広がっていくのだろうか?と問うと、「医療業界は職務領域が明確な専門職集団で、閉鎖的な側面もある。無資格のPAにどこまで仕事を任せていいのかという議論は慎重になりがちで、導入へのハードルはまだ高い」と指摘した。

 今回の取材で感じたのは、PAの技量能力は、個々の人柄と意欲に頼るところが大きいということ。明るい人が多いが、実際、精神的に健康な人でないと務まらないだろう。

 「往生」という、誰もが取り組まなくてはならない人生最後の宿題を手伝ってくれる、家庭教師のお兄(姉)さん。そんな印象も持った。

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