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SF小説、中国が熱い! 日本語版も相次ぎ刊行、隆盛の背景には何が
期待と不安
ハオ・ジンファンさんの作品に描かれるように、中国では経済成長の陰で社会矛盾が表面化し、先行きの不透明感も増している。「近年人気の中国SFは、以前のような社会主義謳歌(おうか)の小説からは様変わりしている」。千野教授は中国の人々の想像力の変容を見てとる。
「自分たちの社会はどこへ行くのか? 期待と不安を胸に、中国の人々は世界の構造を考え、科学技術に思いをはせながら未来を想像するようになっている。彼らにとってSFは未来を考える手がかりを与えてくれるジャンルとして存在している」。昨今、宇宙開発など先端技術の開発でも注目される国で紡がれるSFは、日本や欧米の作家の想像力も刺激しそうだ。