ヘルスケア

ゲーム障害、回復には人との信頼関係築く場が重要 支援施設が示す

 かつてゲームに依存した東京都内在住の20代の男性は15年2月、初めて同センターを受診した。医師らと話し、デイケアに参加。バドミントンで体を動かし、参加者の昼食の輪に加わると気持ちがほっと和らいだ。

 依存が始まったのは1人暮らしをしていた大学2年の春。退屈な授業と目標のない毎日から逃れたくて、オンラインゲームのチームに加わると、生活が一変した。

 1日14時間ゲームをした。時間が惜しく、食事は1回、ラーメンとおにぎり2個。ゲーム中にネット電話で「すごいね」「やるじゃん」とたたえ合う時間は楽しかった。痩せていき、外出はほとんどしなくなった。3年生から休学。このままでは駄目だと分かっていたが「やめる理由を見つけられなかった」。

 治療に踏み出せたのは、心配した実家の母親が一度だけ会いに来たからだ。「好きなことをやっていい。だけど卒業だけはして」という言葉に背中を押され、母から聞いた久里浜医療センターを自分で予約した。

 初診の2カ月後に大学へ復学、その後大学院に進んだ。今は学業とボランティア活動で毎日が充実しており、ゲームは必要なくなった。ゲームをやめられず苦しんでいる人には「どんな生き方をしたいかを考え、勇気を出して助けを求めてほしい」と呼び掛ける。

Recommend

Biz Plus

Ranking

アクセスランキング