ヘルスケア
ゲーム障害、回復には人との信頼関係築く場が重要 支援施設が示す
親子関係の再構築を
東京都荒川区の周愛荒川メンタルクリニック(花田照久院長)で、本人や家族の相談を受ける精神保健福祉士の八木真佐彦さんは「依存の原因は本人よりむしろ、家庭や学校など環境にあることが多い」と指摘する。
相談に訪れるのは高学歴の親が多く、「子供に良かれ」と受験へ過大なプレッシャーをかけ、塾や稽古事を幾つも掛け持ちさせている。
「親の価値観に支配された生活の中で子供は孤立感や自己否定感が強まり、ゲームをすることで、つらい状況を必死に生き延びている。そんな例が多いことを理解してほしい」と八木さんは話す。悪いこと、困ったこととされてしまいがちな不登校や引きこもりにも、そうした面があるという。
八木さんが重視するのは、とにかく親の話をじっくり聞くこと。その中で「子供がなぜゲーム依存になったのか」に思い至れば親自身の言動が変わり、子供も変わるという。「いわば親子の信頼関係を再構築するお手伝い。それが私たちの仕事です」