セミナーの内容自体は平凡な物販の話だったが、男性の中国でのキャリアに興味を持ったので懇親会へ参加した。1次会は、寡黙な印象のセミナーの時よりも多弁になったくらいで、そんなに変わった印象は受けなかった。その後、2次会へ行き、参加者が帰宅し、5人ほどになったときのことだ。突然、彼がスイッチが入ったかのように変貌して、著者へ差別用語や放送禁止用語を連呼して罵倒し始めた(とてもここでは書けない)。
突然すぎる事態に呆気にとられてしまったが、酒が入り失礼なことをしてしまったかと思い、謝罪して先に店を出た。帰宅の途上、記憶はしっかりしており、思い当たるフシはない。翌朝、起きても依然としてスッキリしないので、その場に同席してきたセミナー主催者と別の参加者へ確認をするも、特に著者が男性を怒らせるような発言はなかったと話す。
男性には懇親会前に著者の連絡先を渡してあったので、もし、彼に自覚があれば、連絡があったはずだが、まったくなかった。察するに彼はまったく記憶がなく無自覚なのだろう。
「治療法は、断酒しかありませんね」
この不愉快な経験も前出のリハビリ施設関係者へ話し、どうすれば治るのかと尋ねると、
「繰り返しですが、病気ではないので、治療法は、断酒しかありませんね。ですが、多くが無自覚なので指摘しても上の空で信じません。ですので、効果的な方法は、症状が起こっているときにスマホなどで録画してその動画を本人へ見せて、事実を認識させることです。それで断酒させるしか方法はありません」(同)
これらの飲酒により変貌する症状がひどい人は、酒を飲みだすと泥酔するまで飲み続ける傾向が高いらしく、節酒では効果は低いそうだ。
そう考えると、男性が豪語していた中国人スタッフに騙されて訴えられたという武勇伝も、自身の酒の席での暴言などが原因ではないかと勘ぐってしまう。
若いのならともかく、人間、年を重ねてしまうと時間とエネルギーを割いてまで豹変している事実を伝えて断酒を進言してあげる親身な人なんていないのかもしれない。著者のように、ただ関わりを絶って去るのみだ。そう考えると彼が少し哀れに思えてくる。(筑前サンミゲル/5時から作家塾(R))