今年の年賀状、大丈夫?
たかがアルファベット1文字や3文字の冠詞、名詞の単複がここまで文章の意味を左右するなんて、学校では警告してくれなかった。「a」は「ひとつの」、以上! ではなかったのか。しかし、知ってしまったからには気を付けるしかない。
そしてちょっと遅めだが、もしも今年の年賀状に書いてしまった人がいたら来年からやめたいのが、「A Happy New Year!」。
非常によくある間違いで、それを見たネイティブがその違和感に身もだえしている場面によく遭遇した。お祝いの言葉として「A happy birthday!」という人も、「A merry christmas!」と言う人もいないだろう。もちろん「I wish you a merry Christmas!」などと文章の中ではaが要る。何回も来るクリスマスのうちの一つに言及しているのだから。しかしなぜHappy new yearだけ挨拶文でもaがついたまま定着してしまったのかは分かっていない。わざわざ「ハッピーニューイヤー」に名詞感を強めて「とある良い新年!」と言っているような感じだとのこと。
同様に挨拶の言葉として「Congratulations!!」もよく使うが、これは「Congratulations!!」と可算名詞+複数形で初めて「たくさんのお祝いの気持ちを込めたおめでとうのメッセージ」になるのであって、不可算名詞扱いでは単なる「祝賀」という概念だ。最後のsなんて付けても付けなくても大した変わりはないでしょ、と「Congratulation!!」と投げかけると、「満面の笑みで『祝賀!!』と叫んでいる人」になる。「Thanks(ありがとう)!」とは言っても、「Thank(謝意)!」とは言わないのと同じだ。
墓穴にはまるときりがない冠詞と単複の世界だが、最後の例として筆者と夫(英語話者)が今さっきした会話を、恥を忍んで晒そうと思う。
私「How do you choose the shirt you wear that day?(その日に着るシャツはどうやって決めているの? → 彼は日本のアニメものやご当地物のTシャツを100枚近く持っていて、毎日かわるがわる仕事に着ていく)」
夫「I pick A shirt.(適当に1枚着るんだよ)」
使いこなせると、たった一文字でここまでの怠惰さとファッションへのこだわりのなさを表現できる冠詞。毎日英語で生活している筆者もまだまだだが、こんな筆者にも分かりやすい使い分け法を他にも仕入れたらまたお話したい。ではではみなさん、Enjoy THE rest of your day!(ステレンフェルト幸子/5時から作家塾(R))