漫画家の在宅勤務心がけ投稿に反響 換気に水分補給、意外な盲点満載
新型コロナウイルスの感染拡大に伴って急に在宅勤務が導入され、慣れない日々に心身の不調を訴える人が増えている。そうした中、反響を呼んでいるのが「在宅歴30年」の漫画家がツイッターに投稿した「在宅の心がけ」だ。換気やこまめな水分補給など、基本的ながら意外な盲点が満載。専門家も、軽い運動や同僚とのコミュニケーションなど「今まで何げなくしていたことに意識的に取り組んで」と呼びかけている。(藤井沙織)
心がけ「初心者編」
「換気が『在宅作業中に思いのほかおろそかになる心がけ』No.1だと思うのです」
漫画家の芳崎せいむさんは12日、自身の経験に基づく在宅勤務のコツをツイッターに投稿した。「換気と室温」「陽に当たる」「水分補給と排泄(はいせつ)」「運動と休憩」の4項目を「初心者編」と題してイラスト付きで解説。リツイート(転載)は5万を超え、「参考になる」「社内で共有したい」といったコメントとともに、既に体調不良を起こしていると打ち明ける人もいた。
芳崎さんは仕事柄、「在宅で過ごすことには自負があった」という。だが、吉崎さん宅で一緒に仕事をしていたアシスタントがそれぞれの自宅で作業をするようになると、孤独に作業を進める大変さを実感。初めて在宅勤務をする人はもっと苦労をしていると想像し、体調を崩さないための最低限の心がけとして投稿した。
初心者編をクリアしたら、次にどんなことに気を付ければいいのだろうか。芳崎さんによると、デスクワークの場合、体に合った椅子と照明はとても大切。またラジオを聴けば、「『この番組が始まったらこの作業』と、時間の感覚がとれる」とアドバイスする。
ホルモン分泌が低下
慣れない在宅勤務が、思わぬ精神的な不調につながることもある。心療内科「ベスリクリニック」(東京)の田中遥院長は「在宅勤務を始めてから、眠りにくい、気分が落ち込むと訴える患者が増えている」と話す。
田中院長によると、人は朝に日光を浴びると体内時計がリセットされて、睡眠に関わるホルモンの分泌を調節。また、歩く、階段を上るといった規則正しいリズムを繰り返す運動や、親しい人とのコミュニケーションで、セロトニンなど心を安定させるホルモンの分泌が促される。
多くの人は、これらの行動を出勤することで無意識に行っている。在宅勤務で朝夕の出勤がなくなり、同僚ら人と会って話す機会が減ったことで、ホルモン分泌が低下し、不眠や倦怠(けんたい)感、食欲低下、イライラが増すなどの症状が起こりうるという。
田中院長は、ラジオ体操や人の少ない道での散歩などで意識して体を動かすほか、バナナなどセロトニン生成に必要な栄養素を含む物を食べることを推奨している。