なんらかの災難がふりかかったとき、無理に明るい表情を見せるよりも「淡々と落ち込む表情」をする方がいいのではないか。どうせ、人が生きるにある程度の嫌なこと、辛いことは定期便のようにやってくる。
「また、こういうことが来るタイミングか」と、その状況をそっと受け取る。強烈に玉を打ち返すことばかりに神経を集中させるのではなく、実践としてやるべきことを黙ってこなしていくしかない。そうすると、考えるべきことを無理なく全うに考えることができる。
そして、ある朝、目が覚めたときに「ああ、何か嬉しいことを考えたくなったなあ」と自然に思えるタイミングがやってくる。この時、素直にこの時機をもらうべくやってきた贈り物だと受け取るのがいい。
きっと、ぼくの場合、この贈り物を受け取ったのが2~3週間前だったと思う。どの朝だったかははっきり覚えていないが…。
この変化をはっきり意識したのは、周囲の人たちのソーシャルメディアでの投稿の内容を読んだからだ。
「先のことが分からないから、どうプランを立てて良いか分からない」が、「先のことが分からないことがよく分かったから、こういう複数プランで前進しようと思う」へ移ってきたのだ。
それらを読んで、ぼくと同じ気持ちだと確認できた。トレンドを読むメリットとは、こういうところにあるのかもしれない。トレンドに自分の姿が映り込んでいるのだ。
【ローカリゼーションマップ】はイタリア在住歴の長い安西洋之さんが提唱するローカリゼーションマップについて考察する連載コラムです。更新は原則金曜日(第2週は更新なし)。アーカイブはこちら。安西さんはSankeiBizで別のコラム【ミラノの創作系男子たち】も連載中です。