そもそも電気モーターは、動き出しの最初の一歩から最大トルクを発揮するという特性がある。だから、信号待ちからの最初のスタートは特に頼もしい。それがハイウェイまで持続するというのだから開いた口が塞がらない。
どんなわがままも受け入れる
大電力の源であるバッテリーは、フロアの床下に低く広く積み込んでいる。ゆえに、操縦性も整っている。決してボディは軽くはないとはいうものの、コーナリング中に姿勢が乱れることもなく、安定度は高い。試乗車はまだ発売前の仕様であり、クローズドのサーキットで走ることになったが、タイヤから激しく悲鳴を上げさせるような走りをしても不安がない。これでサーキットを走ろうという御仁もいないと思うが、その気になればそれすらも可能なように思えた。
これによって、RAV4の個性だった「どこへでも行けそうな気がする」という個性に、「どんなわがままにも答えてくれる」という性格が加わったように思う。
RAV4PHVの環境性能はたしかに高い。だが、モーターパワーは動力性能を高めた。もちろん大電力1500wの給電もこなす。災害時の電力になるばかりか、キャンプ地でも活躍するに違いない。こんな都合の良いモデルは少ない。まったくわがままなSUVが誕生したものだと、ちょっと呆れた思いである。
【試乗スケッチ】は、レーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、今話題の興味深いクルマを紹介する試乗コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【クルマ三昧】はこちらからどうぞ。