直接速さやフットワークに関係するものではないものの、全身に散りばめたスポーツアイテムが特色の黄色に塗られる。サーキットの雰囲気を強く意識させる細工に溢れている。もともと速いし刺激的たから、これ以上の過激アイテムは必要ないように感じた。
それにしてもアバルト595、刺激に満ち溢れている。両手で抱えて持ち運べそうなほど小さなボディに潜り込み、アップライトなポジションからステアリングをお盆を回すように操作すると、刺激的なフットワークに溺れそうになる。
その刺激がたまらない
ステアリングの切れ味はカミソリのように鋭い。それでいてホイールベースは短いから、ハラハラドキドキするような挙動に転じる。だというのにエンジントルクは強烈だから、フロントタイヤが強引に路面を掻きむしる。本気で攻めたら怪我をしそうである。だが、その刺激がたまらないのだから、まさにアバルトワールドは留まることを知らないようだ。
「山椒は小粒でもぴりりと辛い」という手垢のついたフレーズは口にしまうと心掛けていたけれど、やはりこのクルマにはその言葉が似合う。
【試乗スケッチ】は、レーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、今話題の興味深いクルマを紹介する試乗コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【クルマ三昧】はこちらからどうぞ。