試乗スケッチ

アバルトのキャラを最も押し出した“ピリ辛”イタリアン「595ピスタ」

木下隆之
木下隆之

 直接速さやフットワークに関係するものではないものの、全身に散りばめたスポーツアイテムが特色の黄色に塗られる。サーキットの雰囲気を強く意識させる細工に溢れている。もともと速いし刺激的たから、これ以上の過激アイテムは必要ないように感じた。

 それにしてもアバルト595、刺激に満ち溢れている。両手で抱えて持ち運べそうなほど小さなボディに潜り込み、アップライトなポジションからステアリングをお盆を回すように操作すると、刺激的なフットワークに溺れそうになる。

 その刺激がたまらない

 ステアリングの切れ味はカミソリのように鋭い。それでいてホイールベースは短いから、ハラハラドキドキするような挙動に転じる。だというのにエンジントルクは強烈だから、フロントタイヤが強引に路面を掻きむしる。本気で攻めたら怪我をしそうである。だが、その刺激がたまらないのだから、まさにアバルトワールドは留まることを知らないようだ。

 「山椒は小粒でもぴりりと辛い」という手垢のついたフレーズは口にしまうと心掛けていたけれど、やはりこのクルマにはその言葉が似合う。

木下隆之(きのした・たかゆき)
木下隆之(きのした・たかゆき) レーシングドライバー/自動車評論家
ブランドアドバイザー/ドライビングディレクター
東京都出身。明治学院大学卒業。出版社編集部勤務を経て独立。国内外のトップカテゴリーで優勝多数。スーパー耐久最多勝記録保持。ニュルブルクリンク24時間(ドイツ)日本人最高位、最多出場記録更新中。雑誌/Webで連載コラム多数。CM等のドライビングディレクター、イベントを企画するなどクリエイティブ業務多数。クルマ好きの青春を綴った「ジェイズな奴ら」(ネコ・バプリッシング)、経済書「豊田章男の人間力」(学研パブリッシング)等を上梓。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。

【試乗スケッチ】は、レーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、今話題の興味深いクルマを紹介する試乗コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【クルマ三昧】こちらからどうぞ。

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