がん電話相談から

子宮体がんの疑い、今後どうすれば…

 Q 50歳代の女性です。令和2年6月、不正出血と、おりものの増加で婦人科クリニックを受診。子宮頸(けい)がんと子宮体がんが疑われ、細胞診を受けました。頸がんは異常なしで、体がんの疑いがありとのことでした。がんかどうか詳しく調べるため、次は組織診を受ける予定となっています。この検査は必要でしょうか。

 A 子宮体がんの診断で、最初に行うのが今回受けた細胞診です。この検査は、細いブラシ(子宮内膜ブラシ)を子宮腔内に挿入して、子宮内膜細胞を擦(さっ)過(か)して採取し診断します。3つの診断区分((1)子宮体がんの心配なし、(2)子宮体がんが疑われる、(3)子宮体がん)のうち、今回は(2)の子宮体がんの疑いでした。

 Q 次の検査が組織診なのでしょうか。

 A そうです。組織診は、細い棒状の金属器具の先端に爪がついた鋭(えい)匙(ひ)(キューレット)を用いて行います。このキューレットで、子宮内腔の粘膜を削り取ります。婦人科外来では、キューレットを子宮腔内に挿入し、4方向、すなわち子宮体部粘膜の前面(12時の方向)、左側面(3時の方向)、後面(6時の方向)、右側面(9時の方向)を削り取ります。これを子宮内膜診査切除といいます。組織診は細胞診に比べると痛みが強いので、鎮痛剤(ジクロフェナクの座薬)を挿入後、30~60分後にこの処置を行います。

 もし、患者さんが痛みを強く懸念するなら、静脈麻酔をかけて睡眠状態にして、少し太いキューレットで子宮内腔粘膜の全面を削り取ります。これは子宮内膜全面掻(そう)爬(は)術といい、1~2日の入院が必要になる場合があります。

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