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思わず見惚れる造形美 マツダ新世代モデルへの期待がぐっと高まるMAZDA3

SankeiBiz編集部

 ※現在、新型コロナウイルスの影響で【乗るログ】の取材を自粛しています。再開するまで当面の間、過去に注目を集めたアーカイブ記事を厳選して再掲載します。記事の内容は基本的に掲載当時の情報となります。

 《2020年1月掲載》最近、街中で一台のハッチバックに目を奪われることが多くなってきた。思わず目で追ってしまうそのクルマの名前は「MAZDA3」。マツダが新商品群の第一弾として世に送り出した、アクセラの後継車だ。今回は1.8Lディーゼルモデルに試乗。横浜-城ケ島を往復する小春日和のドライブを通して、デザインを中心とした魅力や改善を望むポイントをじっくりとチェックしてきた。(文・写真 大竹信生/SankeiBiz編集部)

 コンセプトカーの美しさをそのまま反映

 期待を裏切らなかった-。MAZDA3の眩いエクステリアデザインのことだ。このクルマは、2017年の東京モーターショーで披露されたコンセプトカー「魁 CONCEPT」をベースに開発されているのだが、美しいコンセプトカーが量産化された途端、面白みのないデザインに姿を変えて落胆する、というのはよくある話だ。MAZDA3は、あのとき大絶賛された魁 CONCEPTの艶やかな造形美を、そのまま市販車に落とし込むことに成功したのだ。その裏には「少しも妥協したくない」という開発者たちの強い意志と、並々ならぬ努力があったのだろうと想像する。ちなみにボディタイプはアクセラ同様、セダンとハッチバック(モデル名は「MAZDA3ファストバック」)の2種類を展開している。セダンはトランクに向けて伸びやかな印象だ。

 マツダのラインアップを一覧すると、どのモデルもよく似ている。その理由は、「魂動(こどう)」と呼ばれる統一したデザインテーマのもとに開発しているからだ。これは、クルマに「命」を与えるというマツダ独自のデザイン哲学だ。デザイナーやモデラーといった匠たちの「魂」を込めることでクルマに息吹を吹き込み、動物が持つ生命感や躍動感をカタチにして表現しているのだ。

 この魂動デザインは、新商品群のトップバッターとなるMAZDA3から新たなフェーズに突入した。《引き算の美学》の考え方のもと、不要なものを削ぎ落すことで「控えめでありながら豊かな美しさを持つ」との日本の美意識をクルマで表現する試みだ。

 深化した魂動デザインを纏ったMAZDA3。個人的には特にリヤの造形に惹き付けられる。リヤピラーとフェンダーを結ぶ妖艶な曲線や、尻上がりにカットされた後席ウインドーの形状がもたらすリヤクオーター周辺のボリューム感。そして、極端に寝かせたリヤウインドーやテールランプ周りのボディの張り出し。このシルエットだけで「MAZDA3だ」と分かるアイデンティティと、ほかにはない独特の麗しさがある。むやみやたらに線を加えることなく、ボディの「面」で動きを表現することで、矛盾するかのように “さりげなく圧倒的”な存在感を生み出しているのだ。

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