試乗スケッチ

“特殊な燃料電池車”から脱却 新型「ミライ」は日常に寄り添う高級セダンに

木下隆之
木下隆之

後輪駆動が生んだ理想的な重量配分

 乗り味も自然である。新型ミライはRWD、つまり後輪駆動となった。先代はFWD、前輪駆動である。FCVを成立させるためのさまざまな要素を積み込むと、後輪駆動にするのがスペース的に最も都合が良かったという。結果的に、前後重量配分「50:50」という、走りにとって理想的なバランスとなった。水素で走る燃料電池車だから選んでもらうのではなく、たまたま魅力的なクルマを購入したら、それがFCVのミライだった…という感覚を強めて開発したようなのだ。

 確かに新型ミライは、たとえそれに内燃機関が搭載されていても不自然ではないような、高級セダンに映る。それが普及につながればいいのだが…と思う。

木下隆之(きのした・たかゆき)
木下隆之(きのした・たかゆき) レーシングドライバー/自動車評論家
ブランドアドバイザー/ドライビングディレクター
東京都出身。明治学院大学卒業。出版社編集部勤務を経て独立。国内外のトップカテゴリーで優勝多数。スーパー耐久最多勝記録保持。ニュルブルクリンク24時間(ドイツ)日本人最高位、最多出場記録更新中。雑誌/Webで連載コラム多数。CM等のドライビングディレクター、イベントを企画するなどクリエイティブ業務多数。クルマ好きの青春を綴った「ジェイズな奴ら」(ネコ・バプリッシング)、経済書「豊田章男の人間力」(学研パブリッシング)等を上梓。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。

【試乗スケッチ】は、レーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、今話題の興味深いクルマを紹介する試乗コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【クルマ三昧】こちらからどうぞ。

Recommend

Biz Plus

Ranking

アクセスランキング