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ピース又吉さんが東大副学長とオンライン講義 安田講堂から「言葉の力」発信

SankeiBiz編集部
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 論理的に追い込まれる方が傷つく

 言葉は人を癒やし、励ます力にもなるが、他方で刃物にもなる。SNSでの誹謗(ひぼう)中傷も社会問題となっている。言葉を「もう一つの拡張された皮膚、身体」と表現した佐藤教授は「言葉で痛みを覚えたり、傷ついたりする」と指摘した。

 又吉さんも「SNSは短い言葉で表現することが多く、うまく伝わらないこともある」としたうえで、「実際に一発殴られるよりも、言葉で論理的に追い込まれる方が傷つく」と語り、フリップを掲げながら「想像力とやさしさ」の重要性を強調した。

 又吉さんによると、漫才コンビの立ち位置は芸歴によって変化する傾向にあるという。その立ち位置の差によって、芸人が誰に向かって言葉を発しているのか微妙に異なるようだ。「漫才ではスタンドマイクの前に2人が立つが、芸歴を積んでいくほど2人は外を向くようになり、ベテランになると背中合わせになるくらい。若手はどうしても師匠たちのように外を向いて話せない。一番の理解者である相方のほうを向いてしまう」と又吉さんは分析した。

 講義では“受講生”である視聴者から質問を募り、又吉さんと佐藤教授が回答。「『3密』が洗練された言葉とは思えない。あまり練られていない言葉がなぜこれほどまでに浸透したのか」との質問に、佐藤教授は「テレビで何回も繰り返し流せば力を持ってしまう。洗練された言葉ではないが、流行しているかのように思われる流布の仕方をする」との見解を示した。

 一方、又吉さんは「ある程度は曖昧で、雑な言葉でないと広がりにくい。『3密』は曖昧でも何となくわかってしまうから広がったのだと思う」との見方。「注意喚起としては有効だが、『3密』という言葉だけに敏感になってしまうと、今、手を差し伸べないと死んでしまう人の価値が下がってしまうように思えてならない。こんな時でも、本当に困っている人がいたら、密接というのは越えてしまってもいいと思う」と語気を強めた。

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