0~18歳が選挙権を持たない層であるのに対し、20歳~64歳は有権者です。政党の公認候補であれば大風呂敷は難しいですが、無所属候補であれば大風呂敷は広げ放題となりかねません。
最近の地方自治体の選挙では、東京都議選のように、選挙戦で目立つことを目的とした立候補も珍しくありません。国政選挙で、一か八か給付金一本勝負の候補者が出てくる懸念は拭えません。
■金額の多寡のみで判断され実行力は二の次となる
有権者の投票判断が給付金額に偏るほど、過去の政治経験や政策の質を考慮せずに投票行動に移す人が増える可能性が高まります。もともと選挙に興味がない人にとってみれば、一番お金を多く配分することを公約にすること以外に関心がありません。
すると、本来考えるべき、どんな国を目指すのか、そのためにどんな政策を実現するかといったことを考慮されません。
単なる素人が300万円の供託金を支払って小選挙区で立候補した場合、給付金だけを訴求すれば当選する可能性が高まります。一度当選すれば、最長4年間にわたり年間4000万円の報酬や手当を受け取ることができるのです。300万円の投資で1.6億円のリターンですから50倍以上の成果となります。
公約に給付金を盛り込まない候補は割を食った形で得票率を下げ、落選の危機に瀕するかもしれません。となれば、落選したくない候補者は他の候補と足並みを揃えて給付金を公約とすることになるでしょう。
■当選後に公約を実現できなくとも責任は問われない
晴れて国会議員に当選したとしても、政策を実現するには国会審議を通す必要があります。仮に給付金を一律100万円という無謀な金額で公約に掲げた場合、実現する可能性は低いでしょう。
国会で審議の俎上に乗らなければ、実現はおろか検討すらしてもらえません。端から無理であっても、国会で意見が通らなかったという言い訳は通じるでしょう。
自分の公約が実現されなくとも、国家議員の立場を追われることはありません。その後、何もしなくても4年で1.6億円を確保することができます。むしろ、何もしないで蓄財に励み、次回の選挙対策資金とするような考えもあるでしょう。
しかし、私が選挙参謀だったら、端から無理筋の給付金額を名前とともに連呼するような選挙活動を展開するでしょう。このような結末にならないよう、皆さん選挙に行きましょう。今回の選挙は1年200万円どころか、給付金を含めて300万円にも400万円にもなり得ます。選挙に興味をもついい機会かもしれませんね。
【お金で損する人・得する人】は、FPなどお金のプロたちが、将来後悔しないため、制度に“搾取”されないため知っておきたいお金に関わるノウハウをわかりやすく解説する連載コラムです。アーカイブはこちら