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スマホ・携帯2分でハッキング 国連が警告
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全世界で約7億5000万台に上るスマートフォンや携帯電話について、外部から簡単に個人データを抜き取られる危険性があることが、ドイツのセキュリティー専門家の研究で明らかになった。欧米メディアが伝えた。データを記憶する「SIMカード」に問題があるという。これを受け、国連の下部組織である「国際電気通信連合(ITU)」は7月23日までに、各国の政府機関や通信業界に対し、調査とともに、対策を急ぐよう警告を出した。
「われわれは普通のパソコンを使って第三者の携帯電話をわずか2分程度でハッキングし、自在に遠隔操作することに成功した」
ベルリンでコンピューターのセキュリティー会社を経営する暗号技術の研究者である、カースティン・ノール氏(31)は、英BBC放送などにこう説明した。
ノール氏は27日から米ネバダ州ラスベガスで開催されるセキュリティー会議で今回のハッキング実験の結果や問題点などを報告するという。
報道によると、実験では携帯電話で短い文章をやり取りするSMS(テキストメッセージ)を介して、遠隔操作ウイルスを相手に送付しSIMカードを感染させることに成功。遠隔操作によって、盗聴のほか、決済機能を使って勝手に商品を購入したり、所有者しか知らないアカウントを変更したりできた。
「われわれはあなたをスパイできる。SIMカードが記録するあなたの個人情報を盗み、勝手に読むことができる」と、ノール氏は米紙ニューヨーク・タイムズに語った。
SIMカードは、電話番号や利用者固有のID番号などの個人データを記憶したICチップ。スマホや携帯の端末に差し込まれている。
簡単にハッキングされる恐れがあるのは、「DES」と呼ばれる1970年代に開発された暗号技術を使っているSIMカードだ。セキュリティー技術を向上させた「トリプルDES」を採用しているカードなら安全だが、ノール氏によると、DESを採用したカードが、現在も世界で30億台に使われており、分析の結果、そのうち5億~7億5000万台が最も危険だという。
ノール氏は「自分の携帯が該当するか確認する方法はない。ハッキングされた利用者は、月末に届く請求書を見て、初めて気付く」と警告。対策ソフトの配布の必要性を訴えた。
ノール氏の発表を受け、ITUのハマドゥン・トゥーレ事務局長は「(SIMカードにおける)サイバーセキュリティー上のリスクが露呈した」とし、各国に注意を促した。
日本のNTTドコモやソフトバンクなど世界の通信会社800社が加盟する業界団体「GSMA」も、今回の研究結果を重視し、「問題の特定・研究を始める」としている。
米通信最大手AT&Tなどは「わが社のSIMカードは既に『トリプルDES』なので問題ない」という。
日本国内でも、遠隔操作でスマホからデータが盗まれるハッキング被害が広がっており、早急に対策を迫られる可能性もある。(SANKEI EXPRESS)