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味と健康両立 女性にも好評 花王「ヘルシアコーヒー」

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味と健康両立 女性にも好評 花王「ヘルシアコーヒー」

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 脂肪を消費しやすくする花王の特定保健用食品「ヘルシアコーヒー」が人気だ。4月の発売からわずか約3カ月で初年度出荷目標の150万ケース(1ケースは30本)を突破する驚異の売れ行きとなり、同社は計画を2倍の300万ケースに上方修正した。ヒットの秘訣(ひけつ)は、嗜好(しこう)品としてのおいしさと特保を両立し、女性からも「想定以上」の支持を得たことにある。

 花王がヘルシアコーヒーの開発を本格的に始めたのは、特保「ヘルシア緑茶」を発売した2003年。コーヒーとお茶はともに昔から広く飲まれており、花王ヒューマンヘルスケア事業ユニットの小出敏治ブランドマネジャーは「生活習慣を手軽に特保に置き換えてもらうことを目指した」と話す。

 開発にあたり、他社の特保清涼飲料では食物繊維の「添加」などが目立つ一方で、花王は「コーヒーが本来持っている成分を『引き出す』ことが重要」と考えた。そのなかで、コーヒー豆に含まれるポリフェノール「コーヒークロロゲン酸」が持つ脂肪燃焼促進作用で、脂肪が低減するメカニズムを発見した。

 焙煎度合い調整難題

 ところが、このコーヒークロロゲン酸は、コーヒーに香りとコクを与えるのに欠かせない焙煎(ばいせん)の過程で大きく減少してしまう。このため一般的なコーヒーには豊富に含まれていない。また、焙煎度合いを深めると、雑味のもととなる酸化成分が増えるという難題にぶつかる。

 コーヒー豆に含まれるほかの成分も焙煎度合いで三者三様に変化するため、最適な“黄金比率”を見つけ出すのに「相当な苦戦を強いられた」。実は、花王がコーヒー飲料を手がけるのはこのときが初めてで、大手飲料メーカーと比べてノウハウの蓄積もなく、開発チームは「上司も新入社員もゼロからの挑戦だった」という。

 約10年もの試行錯誤を繰り返し、ようやく、独自製法を編み出した。「ナノトラップ製法」と名付けたもので、通常の約2.5倍のコーヒー豆を使用し、コーヒークロロゲン酸を一般コーヒーの約2倍に高める一方、雑味の原因となる酸化成分を約50分の1に低減する画期的な製法だ。

 カギとなったのは、コーヒー抽出後の工程で導入した吸着濾過(ろか)装置。分子サイズが小さめな酸化成分をうまく吸着し、サイズが大きめなコーヒークロロゲン酸を次の工程に通過させることができる。「花王が日用品などで培った吸着技術も活用した」といい、飲料メーカーに対するハンディを同社ならではの強みで克服した。

 完成したヘルシアコーヒーを軽度肥満(平均BMI27.7)の健常な男女109人に1日1本、12週続けて飲んでもらったところ、腹部脂肪面積(内臓脂肪と皮下脂肪の合計面積)が9.3平方センチ低減する効果が認められた。

 特保清涼飲料のなかには「食事と一緒に」などと特定の飲用シーンを勧めるものも多いが、ヘルシアコーヒーは「1日の始まり、仕事の合間、食後など、いつ飲んでも効果が変わらない」のも特長だ。

 識者から高い評価

 効果に対しては、識者からの期待も高い。東京薬科大学の岡希太郎名誉教授(薬学博士)は「肥満やメタボリックシンドロームは、食事量を減らすより代謝を促進する方が体に優しいように感じられ、コーヒークロロゲン酸飲料の強みはこの作用を持っていること」と評価。また、「(本来)成分とは関係ない食品に添加するものが多く見られるが、そこに疑問を感じる。コーヒークロロゲン酸飲料はコーヒーに含まれているクロロゲン酸を最大限に生かしているのが魅力」としている。

 「無糖ブラック」と「微糖ミルク」の2種類で売り出したところ、意外な手応えがあった。一般の缶コーヒーはコンビニエンスストアや自動販売機で男性による購入が多く、その比率は8割を超える。

 一方でヘルシアコーヒーは、女性がスーパーやドラッグストアで購入するケースも多く、女性の比率が24%に達した。「女性も敏感な健康づくりを無理なくおいしく続けられる点に関心を持っていただけたのでは」と分析している。

 また、ヘルシアコーヒーを購入した75%はヘルシア緑茶を飲んでいない新規の顧客だった。新たなニーズの掘り起こしを実現したことが、売り上げを押し上げている。

 今後、国内市場でラインアップの強化を検討するほか、「数年以内には海外市場でも売り出したい」と、すでに次の展開も視野に入れている。(SANKEI EXPRESS

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