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「秋バテ」から脱出しよう 大和田潔

ニュースカテゴリ:EX CONTENTSの科学

「秋バテ」から脱出しよう 大和田潔

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 【青信号で今週も】

 コオロギも鳴き始め、長袖でないと肌寒い季節になってきました。もうセミの声は聞くことはできません。大きな台風がいくつもやってきてあっという間に秋になりました。もう忘れてしまいそうですが、数週間前はまだまだ暑い日々が続いていました。今年の夏は大変な猛暑の日々でした。

 人間の体は非常に精巧にできています。たくさんの酵素がその精巧な活動を支えています。酵素は触媒の働きをするタンパク質です。さまざまな酵素は、体を支える無数のタンパク質を作る一方で、不要な物質を処理したりしています。体の組織が活動を続けるためにも、アルコールを分解するためにも酵素は活躍します。酵素反応は温度に敏感です。ほぼ一定の体温に保つように、体はがんばり続けます。

 われわれは暑くなれば服を脱ぎます。体は発汗し、冷たいものを好むようになります。運動を止めて日陰に避難します。寒くなれば体温を保つための褐色脂肪が燃やされ、筋肉の細かな振動が熱を発生します。その熱を逃さないように、皮膚の毛細血管は収縮し、われわれは厚着をするようになります。こういった体を一定の環境に保とうとする働きをホメオスタシスと呼びます。

 今年のように暑い日が続くと、そういった悪環境の中でも体はホメオスタシスを保とうとエネルギーを消費しながら努力を続けます。秋に入ると気温は急降下。台風の通過により、気温だけでなく気圧も乱高下。疲労感を抱えながらやっと夏を乗り切ったと思ったところで、大きな気象の変化にダメージを受けてしまった患者さんにクリニックでもたくさんお会いしました。「秋バテ」とも呼ばれます。

 先日のNHKのニュースウオッチ9でもお話ししましたが、こういった時には残業など無理をせず、規則正しい食生活をして体の余力をたくわえることが先決です。日照時間が短くなってきているので、太陽のもとで軽く体をほぐす運動も脳に活力を生みます。

 ドリンク剤や薬に頼る前に、規則正しい生活を心がけ、外での軽い運動と胃腸に負担をかけない食事をしてみましょう。自力で「秋バテ」を脱出できれば、爽快になること間違いありません。(秋葉原駅クリニック院長 大和田潔/SANKEI EXPRESS

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