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現実味増す「デザイナーベイビー」 遺伝子解析技術 米で特許

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現実味増す「デザイナーベイビー」 遺伝子解析技術 米で特許

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 両親の唾液などに含まれるわずかな遺伝子情報を解析し、生まれてくる子供の目の色や背の高さ、がんなどの病気になるリスクを予測する手法について、米国で特許が認められた。自分とパートナーの唾液から解析した遺伝子情報をかけあわせて解析することにより、「青い眼で乳がんになるリスクが低い子供がほしい」といった、親が望む特徴を持つ子供が生まれる確率を予測する手法だ。望ましい特徴を持つ子供を生む「デザイナーベビー」につながる恐れがあるとして、生命倫理の専門家から批判が噴出している。

 望む特徴持つ子供予測

 特許は米カリフォルニア州の遺伝子検査会社「23アンドミー」が2009年に米特許商標庁に申請し、今年9月24日付で認められた。

 23アンドミーはインターネット検索大手グーグルの共同創設者らが出資して設立された会社で、2007年から唾液に含まれる遺伝子配列のわずかな違い(SNP)を分析して乳がんやアルツハイマー病など122の病気になるリスクや、目や髪の色や身長など計258項目を予測する事業を展開している。

 検査費用は1回99ドル(約9700円)。今回、特許が認められたのは、依頼者が自分と精子や卵子の提供者の唾液サンプルを23アンドミーに送ると、生まれる子どもの目の色や運動能力に関わる筋肉のタイプ、乳がんや大腸がんの発症リスクなどを確率的に予測する手法だ。これを使えば、利用者は、自分の遺伝子情報と、パートナーや不妊クリニックなどに保存されている精子や卵子の提供者が持つ遺伝子情報をかけあわせて解析することにより、自分が望む特徴を持った子供が生まれる確率を知ることができる。望ましい子供が生まれる確率が高まるように、パートナーや精子や卵子の提供者を選ぶことも可能になるわけだ。

 「倫理的な問題大きい」

 この特許について、ベルギー・ヘント大の生命倫理の専門家は、今月(10月)3日付の英科学誌ネイチャー電子版で「受精卵診断は定着しつつあるが、子どもの遺伝的特徴を選別することは倫理的な問題が大きい」と批判。予測の信頼性や特許審査プロセスにも疑問を示した。

 23アンドミーは、特許取得後、当初は産婦人科クリニックなどで望ましい精子や卵子を選ぶ可能性も視野に入れていたことを認めた上で、「当時とは状況が大きく変わった。現在の遺伝子予測を越えた事業に乗り出すつもりはない」との声明を発表。今回の特許を使った事業について、「遺伝子と健康に関する理解を高めるのが狙い。子どもを選別する生殖医療に応用するつもりはない」と説明している。(SANKEI EXPRESS

 ■デザイナーベビー 受精卵を選別したり遺伝子操作を加えたりして、容姿や能力など親が望む特徴を持って生まれる赤ちゃん。卵子と精子を体外で受精させる体外受精や、遺伝子の異常を調べる遺伝子解析などの技術の進展で現実味を帯びてきた。生命を商品のように扱うのは倫理的に問題だとの批判がある。重い遺伝病を避ける目的では、異常のない受精卵を選んで子宮に戻す受精卵診断が1990年代から実施されている。

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