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【鎌倉海びより】「音楽」は悪者なのか
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鎌倉の由比ガ浜海水浴場では7月22日、海の家の組合が、《いわゆるクラブイベントの開催を一切中止いたします》というお知らせを公式フェイスブックで流した。
7月9日の海開き以来、《海岸の風紀が著しく乱れて行く予兆》を組合役員らが強く感じた結果だった。
今年は鎌倉市のお隣の藤沢市にある江ノ島の片瀬西浜海水浴場がシーズン開始時点から音楽イベントを全面禁止しており、そちらの客が流れて例年とは由比ガ浜の海水浴客層が大きく変わってしまった。背景要因としては、そのような指摘もあった。
由比ガ浜海水浴場ではすべての音楽イベントが禁止されたわけではなく、対象は組合が事前審査で《いわゆるクラブイベント》として判断したものに限られていた。
それではその《いわゆるクラブイベント》とは何か。7月25日付のフェイスブック続報は次のように説明している。
《単にDJが選曲するダンスイベント等を定義しているのではなく、安全運営可能なセキュリティーの配置や、健全運営可能な運営計画を構成していないイベントを意味します》
微妙なグレーゾーンが残る印象も受けるが、すでにスタートしていたこの夏の海水浴シーズンは何とか大きなトラブルを回避し、この中止決定で乗り切った。
秋が訪れ、海の水平線が見える近隣の住宅街も、いまはすっかり落ち着きを取り戻している=写真。
この雰囲気は大切にしたいし、夏の間も安全安心で魅力的な海水浴場であってほしい。そのためにはどうしたらいいのか。そもそもこの夏の「風紀の乱れ」の要因は何だったのか。「音楽」だけを悪者にする短絡的発想では、解決策はおそらく見えてこないだろう。(編集委員 宮田一雄/SANKEI EXPRESS)