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秋葉原で童貞を探して取材した 映画「風俗行ったら人生変わったwww」 満島真之介さんインタビュー

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秋葉原で童貞を探して取材した 映画「風俗行ったら人生変わったwww」 満島真之介さんインタビュー

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 最近、満島真之介(みつしま・しんのすけ、24)はインターネットの掲示板で「魔法使い」という用語が存在することを知った。職業柄もあり、探究心が人一倍旺盛な満島がよくよく調べて見ると、魔法使いとは童貞のまま三十歳を迎えることにより到達できるステージのことを指すらしい。おまけに風俗さえも未経験、吃音とくれば、貫禄たっぷり、筋金入りの「魔法使い」候補だ。

 満島が初主演作で演じたのは、そんな29歳の童貞男、遼太郎。東北地方から上京した薄幸の風俗嬢かよ(佐々木希)との淡い恋を通じて頼りがいのある男へ成長していく紆余曲折が描かれている。タイトル名も「風俗行ったら人生変わったwww」(飯塚健監督)。インターネットの掲示板でも反響を呼んだストーリーのネット小説がベースとなっている。

 何事もチャレンジする前に「どうせ無理だ」とあきらめてしまう自分の人生に嫌気がさした遼太郎は一大決心。自分を変えようと風俗店へ突撃し、そこで出会ったかよに一目ぼれ。恋する気持ちと、それに比例して大きくなる嫉妬の炎を初めて経験した遼太郎は、かよが複雑な事情を抱えていることを知るや、親友の晋作(松坂桃李)の知恵を借り、ある作戦を実行に移す。

 「実際のところ、彼ら(『魔法使い』たち)はどんな心理なのか。僕たちとさほど変わらない、ごく普通の人間なのではないか。僕は演じるならば彼らにちゃんと向き合わねばならないと考えました。だから秋葉原で本物の童貞を探して取材を試みたんですよ」。秋葉原のバーやカフェで地取りを重ねた結果、満島は29歳と31歳の取材協力者にたどり着いた。

 悪いことでも何でもない

 2人にはなぜ童貞のままでいるのかを検証してもらった。31歳の男性はサラリーマン。見るからに魔法使いタイプではあったが、話せばまったくの常識人だった。対照的に29歳の男性は、ファッショナブルな着こなしで、立ち居振る舞いも洗練されている。ギタリストとしてバンド活動にも力を注いでいるそうで、同性の満島が見てもかっこいい人物に思えた。彼は満島にこんな説明をしてみせた。「女性と出会うタイミングがちょっとずれてしまったのでしょう。僕は男子校に通っていたし、男しかいない職場にもいた。あっという間に時間だけが過ぎていったんです」。もちろん恋愛もしたが、たまたま童貞を捨てるに至るまでプロセスが発展しなかったそうだ。

 「世の中にはいろんな人がいて、僕自身がまだまだ狭い世界しか知らないと思い知らされました。『魔法使い』なんて言い方は適当ではないと感じた。30歳で童貞であっても、悪いことでも何でもないんです」。遼太郎を演じるにあたっては、型にはまった『魔法使い』像に変に縛られることなく、自分なりに考え、感じたままを表現することができた。気がつけば、眠っていた演技力を存分に引き出してくれた心の師匠、若松孝二監督(1936~2012年)が教えてくれたことを実践していた。「自分なりに感じたことを演じる」。正統派二枚目役者は、どんな魔法を使って変身して見せてくれるのだろう。11月9日公開。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:瀧誠四郎/SANKEI EXPRESS

 ■みつしま・しんのすけ 1989年5月30日、沖縄県生まれ。2010年に舞台、ジャン・コクトー作「おそるべき親たち」で俳優デビュー。主な映画出演作は、12年「11・25自決の日~三島由紀夫と若者たち」、13年「おしん」など。姉は女優の満島ひかり(27)。

 ※映画紹介写真にアプリ【かざすンAR】をインストールしたスマホをかざすと、関連する動画を視聴できます(本日の内容は6日間有効です<11月13日まで>)。アプリは「App Store」「Google Playストア」からダウンロードできます(無料)。サポートサイトはhttp://sankei.jp/cl/KazasunAR

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