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社会
食材偽装表示 400施設に上る
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全国各地のホテルや百貨店で相次ぐ食材偽装表示問題で、発端となった阪急阪神ホテルズ(大阪)の10月22日の発表以降、偽装表示が確認されたのは少なくとも約400施設に上ることが8日、産経新聞社の集計で分かった。消費者庁は今後、事実確認をする中で、事業者が調査に非協力的な場合などには景品表示法に基づき立ち入り調査に乗り出す方針を固めた。
集計は8日午後9時までに、系列のホテルや百貨店、路面の飲食店ごとに行った。偽装表示が確認された施設のうちホテルや旅館などの宿泊関連は半数近い約190施設に上った。日本郵政は8日、新たにかんぽの宿など17施設でメニューに偽装があったと発表。かんぽの宿光(山口)とかんぽの宿湯田(山口)では山口県産以外のふぐを「本場山口」と表示していた。
百貨店では約60施設、路面の飲食店などでは約150施設で偽装表示が確認された。ブラックタイガーが使われていた「車海(え)老(び)のテリーヌ」が総菜売り場で売られていた高島屋日本橋店のケースなどがあった。
1施設で複数の偽装表示が確認される例が大半を占めた。牛脂注入の加工肉などを使いながら「ステーキ」などと称する施設が多く過半数超の約210施設で確認された。小さなエビを「芝海老」、大きなエビを「車海老」と称する慣習があるとされる飲食業界でエビの偽装表示も目立ち、全体の約30%にあたる約120施設であった。
8日も東京ドームホテル(東京)がホテル内のレストランなどで「芝海老」と表示しながら、実際はバナメイエビを使用。不二家は8日、全国のレストラン63店で、加工肉を使ったのにメニューに記していなかったと発表した。
産地偽装のケースは、全体の約20%にあたる約75施設に上り、8日には新たに近鉄百貨店(大阪)内のレストランが「静岡由比漁港水揚げ」との表示に台湾産のサクラエビを使用していたことも明らかになった。
問題の広がりを受け、立ち入り検査などの対応方針を固めた消費者庁は「適正な表示に向け是正を進めていきたい」としている。