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【黒子のバスケ脅迫】作者と面識なく 一方的な嫉妬心

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【黒子のバスケ脅迫】作者と面識なく 一方的な嫉妬心

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家宅捜索のため容疑者の自宅に入る捜査員ら(最上階右上が容疑者の部屋)=2013年12月16日午後7時38分、大阪市東成区(沢野貴信撮影)  ≪容疑の男逮捕、リュックで特定≫

 人気漫画「黒子のバスケ」をめぐる連続脅迫事件で、威力業務妨害容疑で逮捕された派遣社員、渡辺博史容疑者(36)=大阪市東成区=が逮捕時に持っていたリュックサックが、これまでの事件の関係先で防犯カメラに写った人物が持っていたものと特徴が似ており、容疑者特定につながっていたことが12月16日、警視庁捜査1課への取材で分かった。捜査1課はこのリュックを持った渡辺容疑者が15日午前6時ごろ、大阪駅前で高速バスに乗り、東京・新宿駅前で降りたのを確認し、15日午後3時過ぎに恵比寿駅近くでポストに脅迫文を入れようとしたところを取り押さえた。

 捜査1課によると、渡辺容疑者は、全国約500カ所の関連施設に脅迫文などを送り付けたほか、コンビニ店に毒物のニコチン入り菓子を置いたことなどを全面的に認め、「ごめんなさい。負けました」と供述している。

 逮捕時に、今月(12月)下旬に開催されるバスケットボールや同人誌イベントなどの中止を求める脅迫文を約20通持っており、捜査1課は脅迫行為を継続しようとしていたとみている。

 逮捕容疑は昨年10月12日、作者の藤巻忠俊さんが在籍していた上智大の体育館2階に硫化水素入りの容器や「喪服の死神」を名乗る脅迫文を置き、大学の業務を妨害したとしている。硫化水素は気化すれば致死量を上回る濃度だったが、けが人はいなかった。

 その後も関連のイベント会場などに脅迫文が送られ、イベントが中止となったほか、今年10月には報道機関やコンビニ店に毒入りの菓子を置いたとする脅迫文が届き、商品を撤去するなどの影響が出ていた。脅迫文では藤巻さんへの恨みを動機とし、複数の名前を使っていたが、渡辺容疑者は「1人でやった。作者と面識はない。漫画で成功していることをやっかんだ」と供述している。

 ≪作者と面識なく 一方的な嫉妬心≫

 黒子のバスケの作者である藤巻忠俊さんへの「やっかみ」を犯行動機にあげる渡辺博史容疑者。昨年10月以降、インターネット掲示板や脅迫文では一貫して藤巻さんへの恨み言がつづられていた。約500通の脅迫文を全国16カ所の郵便局から送ったとみられ、面識のない藤巻さんへの嫉妬心や恨みを一方的に募らせながら、執拗(しつよう)に犯行を重ねていた姿が浮かび上がる。

 最初に渡辺容疑者とみられる人物からの犯行声明文が確認されたのは、昨年10月12日午後1時半ごろ。千葉県浦安市内のネットカフェで、ネット掲示板「2ちゃんねる」に「俺は藤巻に全てを奪われた。恨むのなら藤巻を恨め!」などと書き込まれていた。その日の夜、藤巻さんが在籍していた上智大学(東京都千代田区)で、硫化水素入りの容器や「俺は藤巻忠俊が憎い。漫画をやめろ」などと書かれた脅迫文が置かれているのが見つかった。

 約2週間後の10月26日にも、2ちゃんねるの閲覧者の質問に答える形で、「(動機は)端的に言えば復讐(ふくしゅう)」「藤巻の居所が分かっていれば、とっくに刃物持参で押しかけている」などと書き込みがあった。

 今年1月には2ちゃんねるで「終結宣言」を出したが、4月に一部のイベント会場に脅迫文を送付。10月に産経新聞社に届けられた脅迫文には「動機は藤巻への怨恨(えんこん)や」「藤巻と黒子の存在を許してきたこの世を俺は許さない」「藤巻によって奪われた愛(いと)しい人の身代わりにバスケ少年を抱き殺す」とつづっていた。

 また、同じ脅迫文では「もし人生をやり直せるのならマンガ家になりたい」などと書かれていたが、渡辺容疑者は派遣社員で、家賃4万円のワンルームマンション暮らしだった。

 捜査1課は、渡辺容疑者が送付したと供述している約500通の脅迫文のうち約400通を確認。消印は東京、埼玉など首都圏のほか、大阪、名古屋、神戸、福岡など全国16カ所に及んでおり、居住先が特定されるのを恐れ、投函(とうかん)先を転々とさせていたとみられる。逮捕当日以外に高速バスを利用した形跡もあった。

 脅迫文の封筒からは指紋が検出されておらず、渡辺容疑者は「証拠を残さないように細心の注意を払っていた」などと供述。捜査1課は藤巻さんへの一方的な嫉妬心や恨みを晴らすために、慎重に行動していたとみている。(SANKEI EXPRESS

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