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全員ニートで取締役 NEET株式会社
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仕事も通学もしていない全国のニートの若者約170人が株式会社を設立した。「弱者として扱われるのはごめんだ」。全員が株主兼取締役となり、自分たちの力で新しい仕事や働き方を探している。
11月下旬に東京都内で開かれた「NEET(ニート)株式会社」の設立総会。取締役たちがパーティーの企画代行やゲーム、Tシャツの販売などの事業案を発表した。
4月からインターネットで参加を募集。6月の説明会にはネット中継も含めて約3000人が参加した。1人当たりの出資は基本的に1株500円を12株、6000円。就職がうまくいかない人や引きこもりの人、資格や技能があっても働いていない人たちが現在、ネット上や合宿で話し合い、事業案の具体化を進めている。
2013年版「子ども・若者白書」によると、15~34歳のニートは63万人。同年代の人口に占める割合は2.3%と過去最高だった。
設立を呼び掛けた一人、慶応大SFC研究所で社会コミュニケーションを研究する若新雄純(わかしん・ゆうじゅん)上席所員(訪問)は「ニートは一般の価値観からは偏っているとしても、劣っているわけではない。少数派でも多様な人材」と強調する。
ネットを通じて運転資金を集め、Tシャツを販売する計画を進めるグループの代表、末日吉辰也さん(25)は「批判だけして去る人もいたけど、あきらめずにアイデアを実行する覚悟が必要だ」と思い詰めた表情で話す。
末日吉さんは私大の芸術学部に入学し、体調を崩し半年で退学した。塾講師や書店員のアルバイトをしたが「正社員でも給料は安くて忙しい。働いても幸せになれない」と働くのをやめ、都内の実家で暮らしている。
漫画を描くのが好きで「自分がいいと思うものを描き、買ってくれる人がいたらうれしい。今回の経験を将来に生かしたい」と期待する。
Tシャツには英語で「YOU ARE BRANDED AS TRASH(ごみの烙印(らくいん)を押される)」の文字と、頭からごみ箱をかぶった人のイラスト。ニートという言葉でひとくくりにされて批判や支援をされることに対し、自嘲気味に抗議しているようだ。
「このTシャツを着て『いつも通りの私だけど』って世の中に問い掛けたい」。グループの一員、生熊沙耶さん(30)は、いたずらっぽく笑った。
内定を得られないまま大学を卒業。保育園や洋菓子店でバイトをしたが、真面目すぎるため体を酷使し、手首や腰を痛めて働けなくなった。「癖のある考え方に社会は何の保障も与えてくれない」と感じた。
事業の実現は大変だがやりがいはある。「『うちの会社』って言えるのは面白い。球を打つうちにホームランが出たらいい」(SANKEI EXPRESS)