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【エコノナビ】赤ちゃんの生きる権利
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新出生前診断の集計結果(2013年4~6月)=2013年7月17日現在 妊婦の血液を採取して胎児に染色体異常があるかどうかを調べる新型出生前診断が今年4月から始まって9カ月。検査を実施している産婦人科医らでつくる団体が今年4月から半年間の検査結果を集計したところ、陽性(異常の可能性が高い)と判定され羊水検査で診断が確定した妊婦のほとんどが人工妊娠中絶を選択したという。
この検査はダウン症など3種類の染色体異常が調べられるそうだが、集計結果から「赤ちゃんの生きる権利」について考えさせられた。
出生前診断について日本産科婦人科学会は、安易な胎児の選別につながらないようにする指針を定めている。特に高齢妊娠など染色体異常が起きる可能性が高い場合を検査の対象とし、実施する病院には親に対するカウンセリングの充実などを求めている。
とはいえ、妊婦らはどのようなカウンセリングを受けた末に中絶を決断したのだろうか。もし、「この子が障害を持って生まれてくるのはかわいそう」という理由での中絶なら問題は大きい。「かわいそう」という判断には、命を奪われる赤ちゃんの意思は何ら考慮されていない。そして、かわいそうなのはダウン症の子供を育てることになる自分自身であることが少なくない。
一方で出生前診断を受けてダウン症の子供が生まれる確率が高いと分かっていても、産む決断をする親もいる。ダウン症の子供を育てる社会環境整備が不十分という指摘もあるが、それも健常者と障害者が共に生きる社会をどう実現するかという制度設計の問題であって、中絶する理由にはならない。
そもそも日本では胎児の障害を理由にした中絶は法律上認められていないはずである。しかし、現実には倫理面や法律についての十分な国民的論議が行われないまま、なし崩し的に中絶が行われている。
医療技術の進歩は著しい。今後、遺伝子検査がますます安価に簡単に行うことができるようになるだろう。親は赤ちゃんの命に対する決定権をどこまで持つことが許されるのか。出生前診断が広がる前に、その根本的な議論こそが急務だ。(気仙英郎/SANKEI EXPRESS)