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アフリカ外交 中国との差別化強調 首相歴訪、前半終了 歓迎に手応え

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アフリカ外交 中国との差別化強調 首相歴訪、前半終了 歓迎に手応え

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安倍晋三首相の訪問先=2014年1月11日現在  中東・アフリカ4カ国を歴訪中の安倍晋三首相は1月11日午前(日本時間11日夜)、2カ国目のコートジボワールを出発し、前半の日程を終えた。コートジボワールのワタラ大統領主催の晩餐(ばんさん)会には西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)15カ国のうち11人の首脳が集まり、首相は経済支援を含めた地域への積極的な関与を表明した。中国がアフリカで存在感を強める中、日本外交「空白の地」で歓迎を受けた首相は手応えを感じているようだ。

 「西アフリカには未開発の資源、豊かな農業が存在する。偉大なる可能性が前進し始めたかに見える」

 首相は10日夜(日本時間11日午前)の晩餐会でこう述べ、アフリカとの連帯を強調した。ワタラ氏との会談ではサハラ砂漠南部「サヘル地域」の避難民支援などに8340万ドルの支援も表明した。地域の安定に日本が貢献する「積極的平和主義」の理念を説明し、ワタラ氏も日本の国連安全保障理事会常任理事国入りを支持した。

 中国は習近平国家主席が昨年(2013年)3月、アフリカ3カ国を歴訪するなど、アフリカ重視の姿勢をとっている。(1月)6~11日にも王毅外相がアフリカ4カ国を訪れており、「首相の訪問地や周辺を先回りして影響力を行使しようとするのでは」(自民中堅)との懸念もあった。

 しかし、安倍首相との晩餐会出席の首脳も当初は5人程度とみられていたが、実際は倍以上の首脳が集結した。「日本の首相が来れば首脳は集まる」(外務省幹部)との見立ては当たった。昨年(2013年)横浜で開いたアフリカ開発会議(TICAD)で首相がアフリカ各国の首脳約40人と会談するなど顔の見える関係作りに努めてきた成果でもある。

 中国のアフリカ支援は中国人労働者を大量に投入するなど「地元の雇用につながらず、技術移転もない」との批判がある。首相はワタラ氏との共同記者会見で「日本企業が地域の発展に寄与する形で投資を進めるのがベストだ」と述べ、中国との差別化をアピールした。(アビジャン 桑原雄尚/SANKEI EXPRESS

 ≪来月(2月)22日にソチ訪問、プーチン氏と会談≫

 安倍晋三首相は1月11日、2月22日頃にロシアのソチを訪問し、プーチン大統領と首脳会談を行う方針を固めた。首相はソチ冬季五輪のフィギュアスケート・エキシビション(公開演技)を鑑賞し、国会日程が許せば(2月)23日(日本時間24日)の閉会式にも出席する。首脳会談では北方領土問題を協議し、プーチン氏に今秋の訪日を求める。複数の政府関係者が明らかにした。

 プーチン氏は昨年(2013年)10月の日露首脳会談で、首相にソチ五輪開会式(2月7日)への出席を招請。しかし同日は、日本政府が「北方領土の日」と定めており、首相は見送りを決めた。

 開会式は、米国のオバマ大統領やフランスのオランド大統領ら主要国の首脳が招待を断った。ロシアの人権問題などへの反発とみられ、大会期間中も要人の訪問は過去の五輪より少ないとみられている。

 ただ首相は昨年(2013年)、プーチン氏と4度も会談を開くなど、首脳間の個人的関係が深い。早くからソチ訪問にこだわっていたといい、政府関係者は「首相のソチ訪問が目立つ形となれば、プーチン氏との関係も強まる」と意義を語る。

 日露両政府は今月(1月)31日、東京で領土問題などを議論する次官級協議を開き、首脳会談の準備を進める方針だ。領土問題の進展は、プーチン氏のトップダウンによる決着が不可欠とされているだけに、首相周辺は「プーチン氏が秋に訪日する際に一定の成果が出せるよう環境整備を進めたい」と話している。(SANKEI EXPRESS

 ≪サッカーW杯でエール交換≫

 安倍首相とコートジボワールのワタラ大統領は、6月開幕のサッカーワールドカップ(W杯)で両国代表が初戦で対戦するのを踏まえエールを送りあい、代表チームのユニホームを交換した。

 首相は「若い人たちに感動を与えてほしい」と期待を表明。対戦予定の6月14日が自身の母親の誕生日だと説明すると、大統領は「(中心選手の)コートジボワール代表、ヤヤ・トゥーレに電話して、日本とは引き分けにしてほしいと言った方がいいかと思っている」と冗談交じりに応じた。

 その後、首相は西アフリカ諸国首脳との夕食会で「コートジボワールはおもてなしの国と聞いている。おもてなしでアジアとアフリカを代表する国が(サッカーで)雌雄を決する。どちらが勝っても負けてもお互いを気持ち良く称賛しましょう」と呼び掛けた。(共同/SANKEI EXPRESS

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