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強烈な生きざまは魅力的 クリス・ヘムズワースさん、ダニエル・ブリュールさんインタビュー(2-1)

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強烈な生きざまは魅力的 クリス・ヘムズワースさん、ダニエル・ブリュールさんインタビュー(2-1)

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元F1ドライバーのニキ・ラウダ本人から演技を絶賛された俳優のダニエル・ブリュールさん(左)とクリス・ヘムズワースさん=2014年1月29日午後、東京都港区(鴨川一也撮影)  □映画「ラッシュ/プライドと友情」

 1970年代、世界中のF1ファンを魅了した2人の天才ドライバーがいた。1人は思い切りのよい華麗なドライビングテクニックを誇り、私生活でも「5000人の女性と遊んだ」と豪語するプレーボーイで、自由奔放にその短い人生を駆け抜けたジェームス・ハント(1947~93年)。いま1人は、メカに強く、緻密なマシン設計を主導して、どんどんタイムを縮める頭脳派のニキ・ラウダ(64)。何もかもが対照的で、報道陣の前では激しいつばぜり合いすら演じてきた2人が、お互いに似たにおいを感じ取り、やがてはかけがえのない大切な存在であることに気づく。オスカー監督、ロン・ハワード(59)の新作「ラッシュ/プライドと友情」は、そんな2人の実話に基づくライバル物語。ハントを演じるクリス・ヘムズワース(30)と、ラウダ役のダニエル・ブリュール(35)がプロモーションで来日し、SANKEI EXPRESSの取材に応じた。

 「生きる伝説」

 「アベンジャーズ」(2012年、ジョス・ウェドン監督)の撮影で本作のオーディションに参加できなかったというヘムズワースは、「デモテープを作ってハワード監督に送りました。まずは、名監督の作品に出てみたいという思いが先にきたからです。僕はF1に詳しくないんですよ」と明かした。脚本を通してその人物像を知ることになったハントについては「『これが俺だ』という強烈な生きざまは魅力的でしたね」と満足そう。一方、ブリュールは、鬼気迫る表情で勝利への執念を燃やすラウダの精神を自分のものとしたことで、「どんなにつらいことがあっても、きっと僕は自分を奮い立たせることができるはず」と確信したそうだ。

 ハントとラウダは1976年のシーズン、年間チャンピオンを目指してドイツグランプリに挑んだ。しかし、首位を走るラウダはレース中の事故で瀕死(ひんし)の大やけどを負う。耳は焼けただれ、太ももの皮膚を移植して再生を試みた顔も元通りにはならない。だが、ラウダは病室のテレビで着々とポイントを稼いでいくハントを見て、静かに闘志を燃やす。決して細くはない棒状の医療器具を口から突っ込まれて肺にたまった膿(うみ)を抜くといった、見るに堪えない必死のリハビリを経て、奇跡の復帰を果たすのだが…。

 ブリュールは役作りのため、ラウダを訪ねた。ラウダは、母国オーストリアをはじめ、ドイツ語圏の国々では「生きる伝説」と言われ、尊敬される人物。「オーストリアの人々はラウダの人生が僕の主演で映画化されることを必ずしも喜んでいるとは限らないだろう」。ブリュールは不安な気持ちを抱えたままラウダに対面すると、会話は弾まず、少し堅い人物という印象を受けた。「ただ、1時間ほど会話を交わしていると、ラウダは打ち解けてきましたね。結局、僕が自分を演じるにふさわしい人物なのか判断していたんですよ。後半は、好意的となり、ラウダ本人しか知らない情報までくれるようになりました」

 ネットの動画を参考に

 ドイツ語はもちろん、英語、スペイン語、フランス語を流暢(りゅうちょう)に操るブリュールだけに、サーキットや記者会見で英国人のハントと英語で挑発合戦を繰り広げたり、後の妻とドイツ語で愛を語らったりというシーンもお手のものかと思いきや、まったくの逆で、やはりプレッシャーとの戦いだったらしい。

 ハワード監督には「特にオーストリア人なまりのドイツ語アクセントは、ラウダを演じるうえで必須ですよ」と進言したそうだ。「オーストリア人が話すドイツ語を表現する場合、ちょっと傲慢さが鼻についたり、皮肉を利かせた感じを出さなければならないんです。それは英語を話していたとしてもそうなんですよ。オーストリア人は『ドイツ人とは違ってダークなユーモアがある』と言いますね。英国人に近いところがあります」(文:高橋天地(たかくに)/撮影:鴨川一也/SANKEI EXPRESS (動画))

 ※映画紹介写真にアプリ【かざすンAR】をインストールしたスマホをかざすと、関連する動画を視聴できます(本日の内容は6日間有効です<2014年2月12日まで>)。アプリは「App Store」「Google Playストア」からダウンロードできます(無料)。サポートサイトはhttp://sankei.jp/cl/KazasunAR

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