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凛としたエレガンス、香りに秘めて 「ココ マドモアゼル」新CF、TV放映スタート
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5月9日からTV放映されるCFのワンシーン。繊細なオートクチュールのドレスに身を包むミューズ、キーラ_ナイトレイ。シャネル公式ホームページ(chanel.com)でも公開中。(C)CHANEL
シルバーに輝くパーティー会場。CCロゴをあしらった壮麗な階段を、気品あふれる白いドレスの美女が降りてくる。挑戦的なまなざし、手には「ココ マドモアゼル」のボトル。“獲物”の男性が彼女に心を奪われても、彼女はするりと身をかわす。会場を抜けてパリの街を探しても無駄。彼女はセーヌ川に浮かぶボートで、颯爽(さっそう)と去ってゆく。
きょう5月9日から、シャネルを代表する香りのひとつ「ココ マドモアゼル」の新しいCF(コマーシャルフィルム)が日本国内でもTV放映される。
演じるのはもちろん、英国の若手実力派女優で「ココ マドモアゼル」のミューズ(メーンキャラクター)を務めるキーラ ナイトレイ(29)だ。彼女が英映画監督、ジョー ライト(41)とタッグを組んだ「ココ マドモアゼル」のCFは、これが3作目。名作映画『プライドと偏見』をはじめ、監督と主演女優として幾度も協働してきた2人だけに息はぴったり。1作目で華麗な赤いドレス、2作目でジャンプスーツ姿でバイクを操ったキーラは今回、オートクチュールの白いドレスに身を包み、ちょっと気まぐれで大胆なパリジェンヌに扮してみせた。
「セーヌ川を走るのはステキでした。朝4時に現場到着です。日の出をセーヌ上で迎えるのはすばらしい体験でした」と撮影時を振り返る。
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誰も教えてくれなかった
どれだけの人が彼女に泣かされたのかを
でも、謝るのはもう遅すぎる
どうすることもできないよ
探しても時間の無駄さ
だって彼女はいないから
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ミステリアスで小悪魔的な世界観を見事に表すコマーシャルソングにも注目を。英ポップグループ、ザ ゾンビーズによる1964年のヒット曲『シーズ ノット ゼア』だ。
2001年に誕生した「ココ マドモアゼル」は、世界で愛されるシャネルを代表する香りのひとつだという。そもそもシャネルには、「ココ」(1984年~)がある。ブランド創始者のココ シャネルのバロック趣味やオリエントへの憧れから着想された、華やかなフローラルオリエンタルの香りだ。ココ シャネルは敬愛を込めて「マドモアゼル」とも呼ばれるが、まさに「ココ マドモアゼル」は彼女の別の一面を表現する香り。シャネルの3代目専属調香師、ジャック ポルジュが創り上げたものだ。
香調はフレッシュ オリエンタルで透明感があり現代的。トップノートは、シチリア産オレンジをはじめシトラス系のフレッシュな香り。ミドルノートには朝摘みのローズやジャスミンで軽やかなフローラルノートを。そしてラストノートはインドネシア産パチュリ、ハイチ産ヴェチヴァーのほか、ヴァニラやホワイトムスクでオリエンタルな香りがモダンに表現されている。
ただ甘いだけではない、凛とした香り。キーラは2007年からこの香りのミューズを務めることになったとき、「不思議な縁を感じた」と話す。なぜならその2年前に友人から偶然この香りを贈られて以来、自分でも愛用していたからだとか。
その香りは、ココ シャネルの生き方を体現しているかのようでもある。彼女は女性を窮屈なコルセットから解放し、紳士服にヒントを得たルックを発表した。そして、女性が肌を焼くなんて考えられなかった時代に、積極的にアウトドア活動に親しみ、自らの責任において恋をした。
キーラが考えるココ シャネル像とは「自由の精神があり、自ら道を開きました」。そして一言、「時を超えています」。(黒沢綾子/SANKEI EXPRESS)