戯曲で表現しにくかったこと すっと心に 「ヒッキー・カンクーントルネード」著者 岩井秀人さん
更新今回の小説では、戯曲では表現しにくかった登美男や妹、母親の思考が独特のリズミカルな文体で展開される。「ニコニコ笑ってても心の中では違うことを考えているというのを表現するのは、演劇ではできないこともないけれど、あざとくなってしまう。小説では直接心の中にすっと入っていける。あと、関係ない風景の描写をふっと挿入できたり、すごく自由だなと感じました。そこにたどり着くまでにはずいぶんもがきましたけど…」
気になるのは小説家としての次回作だが…。「小説にはすごくルールがあるような気がしていたんだけど、とにかくワーッと書いちゃえばいいんだって気づいた。最初に抱いていたようなおっかなさは、減らせたかな」。もっと自由に。奇才の新たな冒険が楽しみだ。(塩塚夢、写真も/SANKEI EXPRESS)
「ヒッキー・カンクーントルネード」(岩井秀人著/河出書房新社、1512円)
