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【まぜこぜエクスプレス】Vol.20 ダンスで垣根を飛び越える SOCIAL WORKEEERZ
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ダンスチーム「SOCIAL_WORKEEERZ」のメンバーたち。年齢は23歳から31歳、職業もさまざまだ(提供写真) 「SOCIAL WORKEEERZ」(ソーシャルワーカーズ:社会活動家)は、“ダンスと福祉をつなぐ”をコンセプトに活動するユニークなダンスチームだ。代表の笹本智哉さんと、副代表の桑原一郎さんに話を聞いた。
とびきりイキがよくって、礼儀正しい。そんな若い人たちに久しぶりに会えた!
彼らを初めて知ったのは、横浜・関内のライブハウスだった。究極のバリアフリーロックバンド「サルサガムテープ」の演奏をバックに、ステージ狭しと踊るダンサーたち。そして、彼らの動きをまねして踊り、はしゃぐ障がいのある子供たち…。音楽とダンスを通じて、見えない垣根をヒョイヒョイと飛び越えているのは、一目瞭然だった。
SOCIAL WORKEEERZは2011年に結成された。キッカケはリーダーの智哉さんが高校3年のときに参加した、障がいのある人と過ごすボランティア合宿。アスペルガー症候群の幼なじみがいた経験から、漠然と「将来は福祉の仕事をしたい」と思っていた彼は、そこで人生が変わる体験をする。
合宿の2日目。スタッフにすすめられ、趣味にしていたダンスを障がいのある子供たちの前で披露することになった。「緊張してたし、大丈夫かなぁって思っていた。けど、客席から舞台に走ってくる子、車いすから落ちそうになって踊る子…。反応がヤバかったんですよ」
手応えを感じた智哉さんは、高校在学中にヘルパー2級の資格を取得し、大学に進学し社会福祉学科で勉強をしながら、全国の福祉施設を訪問し、踊る活動を始めた。
そして大学1年の時に、ダンスを通じて出会った4年生の一郎さんを、障がい者施設のイベントで「踊ろう」と誘う。
「それまで障がいも福祉も身近でなかったけど、あっという間に距離が縮まり、すっごく楽しい体験だった」と一郎さん。
これまで味わったことのない喜びを感じたという一郎さんとともに2人は友人たちに呼びかけてチームを結成。11年8月にイベント「チョイワルナイト」を企画する。「専門的な支援者だけでなく、いろんな人が障がいのある人に普通に関わる方がいい。イベントをやれば、つながる楽しさを理屈抜きで分かってもらえる」と、智哉さんは考える。
現在、メンバーは23歳から31歳の10人。保育士、特別支援学校教諭、養護学校教諭、ケアワーカー、営業マン、商社マンなどみんな本業をもっている。
そして、8月23日に開かれる今年で5回目のチョイワルナイトには障がいのある人、子供、高齢者、ありとあらゆる人が400人以上参加する。
彼らがインタビューに答える言葉はストレートだ。飾るとか、繕うとかはない。「福祉をどう捉えていますか?」。私自身が答えられない質問をしたくなった。智也さんの眉間にグッとシワが入った。「いやー、フクシって、なんなんすか? でも、改革したいんです!」
「おー、カッコイイ! 私もそう言いたい!」。心の中でブンブン妄想握手をした。福祉の仕事を高校生の頃から志し、現場での実践を積んだ彼だからこそできる発言なのだ。「支援という形を崩したい。ダンスというツールがあれば、支援する側される側の垣根がなくなり楽しい時間を共有できる」と、智也さんは言う。
私たちは普段、言葉によるコミュニケーションに頼るあまり、ボーダーレスな社会を目指しているにもかかわらずボーダーを感じることがある。さまざまなバックグラウンドや社会の仕組み、慣習などを越えるコミュニケーションツールとしてのダンス。リズムに乗り、体を揺らし、ステップを踏み、ダンサーに触発されて踊る。それはとても自然なことだ。
チョイワルナイトでは、参加者みんなが照れや恥ずかしさを吹き飛ばして、本能のまま一緒にお祭り騒ぎをする。ステージと観客席のボーダーはない。全国に広がれば、福祉のコミュニケーションのあり方を根本的に変えることができるかもしれない。(女優、一般社団法人Get in touch理事長 東ちづる/SANKEI EXPRESS)
■「DANCE PARTYチョイワルナイトvol.5-DANCEと福祉をつなぐ-」 <日時>2014年8月23日午後1~4時(開場は午後0時30分)。<場所>ノクティーホール(川崎市高津区溝口)。<参加費>障がい者500円、介助者500円、一般1500円