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続くDV余波…主題歌ボツに怒りツイート リアーナさん、NFL中継局と全面対決
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米プロフットボールNFLのスター選手によるドメスティックバイオレンス(DV)事件の余波が収まらない。NFLの試合の中継局である米CBSは開幕日の11日、「DV問題に無神経」との世論の批判を恐れ、DV被害歴のあるバルバドス出身のR&B歌手、リアーナさん(26)による主題歌の放送とプレゲームショーを中止したが、これに16日、リアーナさんがツイッターで激しくかみついたのだ。リアーナさんはCBSが水面下で主題歌の再使用を打診してきたことも暴露。結局、CBSは主題歌自体を変更するはめに追い込まれた。
「CBS、先週、私の主題歌をボツにしたくせに、今週の木曜には使いたいって? 答えはノーよ。私を悲しませた罰よ」「厚かましい…」
リアーナさんは16日午前9時前、CBSに対し、こんな怒りのツイートを連投した。約3700万人のフォロワーを持つ彼女だけに影響は大きく、全米メディアが一斉に電子版で速報した。
米スポーツ専門局ESPNや米芸能サイトTMZなどによると、事の発端は、NFL・レーベンズのレイ・ライス選手(27)が起こしたDV事件。ライス選手は今年2月、アトランティックシティー(米ニュージャージー州)のカジノのエレベーター内で、婚約者だったジャネイ・パルマーさんを気絶するまで殴打し、そのままエレベーターから引きずり出すなど激しい暴力を振るった。ライス選手は一旦、起訴されたが、起訴翌日にジャネイさんと結婚。ジャネイさんが証言を拒んだため、起訴は取り下げられ、NFLは処分を2日間の出場停止で済ませようとした。
ところがDVの模様を収めた監視カメラの映像をTMZが入手し、9月8日に公開すると、あまりの激しい暴行に全米で大きな非難がわき起こり、レーベンズはライス選手との契約を解除、NFLも処分を無期限出場停止に改めざるを得なかった。
毎週木曜日に「サースデイ・ナイト・フットボール」と銘打って今季の中継を行う予定だったCBSは、番組主題歌にリアーナさんらが歌う「ラン・ディス・タウン」(2009年)を決定。しかし、DV事件が大ごとになるにつれ、元恋人からDV被害を受けていた過去があるリアーナさんの曲を使用することに「不適切だ」との批判が高まったため、開幕戦での主題歌の放送とプレゲームショーを取りやめた。
CBSスポーツのショーン・マクマナス会長は米スポーツ系ニュースサイトに「ジャーナリスト的観点で考え、適切な処置が必要だった」と語ったが、今度は逆に一部メディアから何の落ち度もないのにショーを打ち切られたリアーナさんを「かわいそうだ」とする批判が浮上。CBSは慌ててリアーナさんに18日からの主題歌の再使用を打診したが、この不誠実な対応に激怒した彼女がツイッターで三下り半を突きつける事態に発展したのだ。
結局、CBSはリアーナさんの主題歌使用を断念。幹部の一人は米紙USATODAY(電子版)に「方向性を変えた。彼女の曲ではなく、新たなオリジナル曲を使う」と明言した。NFLをめぐっては、暴行ビデオの存在を4月に知っていたにもかかわらず、適切な対応を取らなかった疑惑も浮上している。
「真の男のすることではない」。こう、バラク・オバマ米大統領(53)から批判された今回のDV事件。大統領に指摘されるまでもなく、その“男らしくない対応”が騒動の火に油を注ぎ続けている。(SANKEI EXPRESS)