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技量磨くため絶対やるべき役だった 映画「フューリー」 ローガン・ラーマンさんインタビュー

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技量磨くため絶対やるべき役だった 映画「フューリー」 ローガン・ラーマンさんインタビュー

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「今は映画人としていろんなことに挑んでみたい」と語る、俳優のローガン・ラーマンさん=2014年11月16日、東京都港区(マンハッタン・ピープル提供)  ブラッド・ピット主演・製作総指揮で描く戦争映画「フューリー」は、元軍人のデビッド・エアー(46)が監督・脚本・製作を担った肝煎りのオリジナル作品だ。戦争の善悪を殊更(ことさら)にあげつらう薄っぺらな内容とは一線を画し、戦争がもたらす目も当てられない数々の出来事がいったい人間の心理にどんな影響を与えるのかを、エアー監督は大胆かつ緻密に描いてみせた。

 ここ最近、アクション映画の主演が続いたローガン・ラーマン(22)は、本作では一転、ピアノをたしなむ心優しい青年兵士、ノーマンを熱演し、大勢のファンにひと味違ったラーマンを印象づけた。大好きなアクション映画に出演したい気持ちをひとまず抑えたのにはわけがあった。「エアー監督の狙いは人間の感情をじっくりと見据えることでした。僕は俳優としての技量を磨き、もっと成長するためにも、絶対に引き受けなければならない役だと考えて撮影に臨みました」

 第二次世界大戦末期、自ら「フューリー」(激しい怒りの意味)と名付けた戦車に部下4人と乗り込み、欧州戦線で死闘を重ねてきた連合国軍の米兵、ドン・コリアー(ピット)。「ウォーダディー」の異名を持つ百戦錬磨の鬼軍曹だ。彼が率いる戦車部隊が次なるミッションで向かったのは、「降伏は時間の問題」とされていたナチス・ドイツ。だが進軍中の戦車部隊はドイツ軍に急襲され、フューリーを除いて全滅してしまう。やがてコリアーたちの目と鼻の先に300人を優に超えるドイツ軍部隊が迫ってきて…。

 過酷な撮影現場

 世界のコレクターから本物の戦車を借り受け、迫力ある戦闘シーンを映像に収めることができたものの、ラーマンをはじめ出演者たちが多かれ少なかれけがを負うことは「日常茶飯事」だった。「兵士同士の殴り合いの場面では“振り付け”が施されず、もっぱら本気で殴り合うことが要求されました。目のまわりはもちろん、体のあちこちにあざはできるし、切り傷や何らかの出血は絶えませんでした。戦車のハッチを下ろすときに指を挟んだときは飛び上がるほど痛かったです」。懇意のスタントマンの一人は本当に刃物で体を刺され、傷が肺に達する大けがを負ったそうで、いかに撮影が過酷なものだったかがよく分かる。

 撮影現場では退役軍人が演技に目を光らせ、指導の一翼を担った。「決して楽しい撮影現場ではありませんでした。作品の内容も内容なので、俳優同士でふざけ合うなどもってのほかでした」。

 ラーマンたちは撮影が長引くと、戦車内で一晩を明かしてしまうこともしばしばだった。もし尿意を催せば、水を飲んで空になったボトルに次々と用を足していくものだから、「床は僕たちの小便が入ったボトルがそこら中に散らばっている状況でした。あの大スターのピットが使ったボトルもたくさんありましたよ」。ラーマンの“兵役”悲話は延々と続いた。11月28日、全国公開。(高橋天地(たかくに)/SANKEI EXPRESS

 ■LOGAN LERMAN 1992年1月19日、米カリフォルニア州生まれ。2000年「パトリオット」で映画デビュー。名子役として活躍。近作の映画は、10年「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」、11年「三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」、13年「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海」で、いずれも主演を務めた。

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