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ライブ・インスタレーションで美を表現、JUN ASHIDA 秋冬コレクション2015-2016

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ライブ・インスタレーションで美を表現、JUN ASHIDA 秋冬コレクション2015-2016

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「JUNASHIDA」の秋冬コレクション2015-2016  その演出に度肝を抜かれた。エントランスをくぐるとギリシャ神殿を思わせるかのような真っ白い柱と舞台が用意され、あでやかなウエアをまとった40人のモデルたちが、エレガントにポーズをとっている。ゆっくりと、しなやかに動きながら、次のスペースに収まるモデルたち。7つのエリアに区分けされた、それぞれの世界観にあったファッションでまとめられている。

 これは、世界的なファッションデザイナーの芦田淳氏が手掛けるブランド「JUN ASHIDA」の秋冬コレクション2015-2016の一幕。4月8日、東京港区六本木のグランドハイアット東京で開催されたこのコレクションは、従来のショースタイルとは打ってかわり、ライブ・インスタレーションの方式がとられた。インスタレーションとは、展示空間全体を使った3次元的な表現のことで、モデルがコレクションの衣装をまとって動きながら、来場者と同じ空間を共有しているという、まったく新しい試みがなされた。中央の舞台を取り囲むように、来場者は歩いて回りながら、作品を間近で見ることができ、その色合いや風合いまでをも確認できるという趣向だ。

 ウールやフラノの素材に、レザータッチのアクセントを施したスポーティーなタウンウエア。セーブルをあしらった軽いコートやツーピースは、ベージュやブラウンの落ち着いた世界。レースやスパングルで彩られたイブニングドレスは、ゴールドやシルバー、そしてパステルピンクなどとても豪華な装いだ。

 「株式会社ジュン アシダ」の山東英樹社長は「弊社のコレクションのお客様は、ほとんどが実際に愛用いただいている顧客様です。新しい作品をより間近で楽しんでいただくことをコンセプトにしたら、このような形になりました」と説明する。昨年末に同じ六本木の新国立美術館で開催された、芦田淳氏の半世紀にわたる活躍を表現された「エレガンス不滅論。」がヒントになったのだそうだ。もちろん、淳氏の娘で「TAE ASHIDA」ブランドのデザイナーである多恵氏も、プロデュースの一役を担っている。なるほど来場者たちは、お互い同士で生地や素材、風合いについて語り合い、「あのモデルさんの色なら、私でも似合うかしら」などと、普段のショッピングのような弾んだ会話があちこちで聞かれた。

 ファッションの世界で常に時代の先駆者として走り続けてきた芦田淳氏。その歩みは留まることをしないことを、また認識させられた。

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