【中野友加里のスケーターたちの素顔】「日本女子も負けてない」 世界に発信
更新2012年の冬。フジテレビのスポーツニュース番組「すぽると!」の仕事で、初めて行ったインタビューの相手が全日本ジュニア選手権で連覇を飾った宮原知子選手でした。
当初のイメージは「恥ずかしがり屋の知子ちゃん」。記者泣かせな選手と思っていましたが、実際にマイクを向けると、とてもしっかりとした口調でインタビューに応じてくれたことが印象的でした。当時のフリー曲「ロミオとジュリエット」について、彼女なりの表現へのこだわりが伝わり、クレバーな印象を持ちました。
今年の世界選手権。そんな宮原さんが大仕事をやってのけました。
全日本選手権では、弱冠16歳で初優勝を果たし、「全日本女王」の肩書を持って中国・上海の大舞台に乗り込み、初出場でいきなりの銀メダル。ロシア勢の台頭ばかりが注目された今季の女子フィギュア界にあって、「日本女子も負けてないぞ」という強烈なメッセージを世界に発信してくれました。
私にとって、初めての世界選手権は06年。まだ予選もあった時代で、初めてのことだらけで緊張の連続でした。「フリーを最終組で滑れるように」と願って臨んだ大会でした。目標通りに最終組で演技をして5位。「世界中の人たちに少しはアピールができたかな」と、達成感に満ちた思い出があります。初出場で堂々の2位に入った宮原さんには、心から大きな拍手を送りたいです。

