ニュースカテゴリ:EX CONTENTS
国際
【欧州サッカー】ミラン身売りへ 本田も不発 ベルルスコーニ氏、タイ実業家に株過半数売却報道
更新
4月29日、ジェノア戦に5試合ぶりに先発出場したが見せ場をつくれず、相手ディフェンダーに倒されるACミランの本田圭佑(けいすけ、左)。ミランはホームでのジェノア戦では57年ぶりという敗北(1-3)を喫した=2015年、イタリア・ロンバルディア州ミラノのサン・シーロ・スタジアム(AP) サッカー日本代表FWの本田圭佑(けいすけ)選手(28)が所属するイタリア1部リーグ(セリエA)の名門で低迷が続くACミランが、身売りする見通しであることが分かった。複数のイタリアメディアが1日、1986年からチームのオーナーを務めるシルビオ・ベルルスコーニ元伊首相(78)が所有するクラブの株式の過半数をタイ人実業家のビー・テチャウボン氏(41)に近く売却すると報じた。本田にチームの浮揚を託したが不発に終わり、昨年の決算で巨額の損失を出したミランは、躍動するアジアマネーに救いの手を求めた形だ。
伊紙ガゼッタ・デロ・スポルトなどによると、ベルルスコーニ氏は4月29日、ミラノ郊外アルコレにある私邸にテチャウボン氏を招き、株式の売却について協議。テチャウボン氏側が提示した5億ユーロ(約673億円)で発行済株式の51%を買い取る案でほぼ合意したという。
一部のメディアは、現在クラブの副会長を務めるベルルスコーニ氏の次女、バルバラさん(30)とゼネラルマネジャー(GM)のアドリアーノ・ガッリアーニ氏(70)も提案に同意したと報じた。ただ、バルバラさんは「まだ完全には合意していない。チームの将来とファンの思いを尊重することが何より大切だ」とコメントし、含みを持たせた。AFP通信によると、テチャウボン氏は東南アジアの投資グループを率いる若手実業家で、今年2月にはミランへの関心を認めていた。
一方、ミランは協議前日の28日に行われた株主総会で、2014年の決算で9130万ユーロ(約123億円)の損失を計上したことを明らかにしていた。
セリエA優勝18回、欧州制覇(旧欧州チャンピオンズカップと現在のチャンピオンズリーグ優勝)7回という輝かしい栄光を誇るミランだが、近年は成績が低迷。昨シーズンはセリエAで8位に終わり、途中でアレグリ監督が解任された。チームOBのフィリッポ・インザーギ氏(41)を監督に迎えた今季は、開幕直後こそ順調だったが、だんだんと組織的に戦う場面が見られなくなり、ボールを受けた個々の選手がどうにかするしかない行き当たりばったりの戦いに終始する窮地が続いている。
2日現在、ミランは今季あと5試合を残して勝ち点43の10位。欧州リーグ出場圏内の5位との勝ち点差は8で、2季続けて欧州の舞台に立てない可能性が高まっている。
救世主としての役割を期待され、昨年1月に入団した本田への風当たりも強い。左足首の故障が癒えた本田は4月29日、5試合ぶりにホームでのジェノア戦に先発出場したが、見せ場は前半17分のペナルティーエリア右外からの左足でのシュートだけで、相手DFに当たりクロスバーを越えた。そして後半9分、スタンドから大ブーイングを浴びて交代した。試合中にはスタンドのサポーターが「BASTA(もうたくさんだ)」という人文字を作っていた。
今季終了後に放出とも報じられている本田はかつて、「新しいミランをつくっていかないといけない」と言った。だが、その作業は進まないまま、チームは身売りの瀬戸際に立っている。赤と黒のユニホーム(ロッソネロ)の栄光は、すっかり過去のものになりつつあるのだろうか。(SANKEI EXPRESS)