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経済
大学生就職率96.7% リーマン・ショック前水準 売り手市場でも 既卒者に厳しい目
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既卒者限定で開かれた合同就職面接会=2015年4月、東京都新宿区(共同) 今春に卒業した大学生の就職率は4月1日時点で96.7%だったことが19日、厚生労働省と文部科学省の調査で分かった。前年同期比2.3ポイント増と4年連続で上昇した。統計開始以来最も高かったリーマン・ショック前の2008年3月卒に次ぐ水準だった。厚労省の担当者は「景気の拡大により企業の採用意欲が高まっている」と分析している。
高校生も好調で、厚労省の調査による3月末時点の内定率は98.8%だった。前年同期比0.6ポイント増で、1992年以来の高水準だった。
ただ、大学生は39万7000人が就職した一方、就職が決まらなかった学生が1万4000人に上るとみられ、両省が支援を続ける。
全国の大学から国公私立の62校を抽出し、就職希望者に占める就職者の割合を調べた。
地域別に見ると、中部地区と中国・四国地区が最も高い97.3%、最も低いのは九州の94.7%だったが、どの地域も前年より改善した。国公立は97.7%、私立は96.3%だった。
高校生は製造業などほぼ全ての業種で、求人が前年を上回った。学校やハローワークを通じて職業紹介を希望した生徒約17万1000人を調べ、約16万9000人の就職が内定した。
都道府県別では、新潟と富山、福井が99.9%、埼玉と石川、鳥取、香川が99.8%で続いた。最も低かった沖縄の88.4%を除き、全都道府県で95%を上回った。
≪売り手市場でも 既卒者に厳しい目≫
大学生の就職率が4年連続で上昇する一方、就職活動の出遅れや内定辞退などが原因で、就職先が決まらないまま卒業を余儀なくされた人も多い。人手不足の中、企業はこうした既卒者の採用にも意欲的だが、選考基準は新卒者よりも厳しくなりがちで、求職者有利の「売り手市場」のなかでも楽観はできないのが実情だ。
3月に国士舘大を卒業した男性(22)は4年生の秋に不動産会社から得た採用内定を辞退し、今でも就活を続ける。歩合制の高収入が魅力で厳しいノルマも覚悟していた。だが、内定者向けの研修で「入社1年後の在職率は1割程度」と聞いて、ショックを受けた。父親の反対もあり、辞退に踏み切ったという。
「正しい選択だったと思うが、友人よりも社会人のスタートが遅れてしまったことが不安だ。待遇よりも、働き続けられる社内の雰囲気を重視したい」と出直しを誓う。
東京都新宿区の「東京新卒応援ハローワーク」は学生だけでなく、卒業後に就活を続ける人も支援する。4月下旬に開催された既卒者限定の合同就職面接会には、2日間で延べ約360人が参加した。
東洋大卒の女性(23)は「演劇に夢中で、就活を始めたのは4年生の冬になってから」とスタートの遅れを悔やむ。「秋から奨学金の返済も始まるので、早めに決めたい」と表情を引き締めた。
面接会の参加枠50社に対し、約170社が応募するなど企業側も人材確保に必死だ。ただ、都内のある参加企業の採用担当者は「自分が何をやりたいのか整理できないままの子が多い」と不満げだ。
「人が足りないからと無理に採ればすぐに辞められてしまい、お互いにとって無駄になる」と説明し、既卒者の採用のハードルは新卒者より高くしていると明かす。
東京新卒応援ハローワークの佐藤慎也室長は「在学中の敗因分析をしっかり行い、自分にどんな仕事が向いているかをあらためて客観的に知ることも有効だ」と既卒者にアドバイスした。(SANKEI EXPRESS)