すべて極秘扱いの米無人宇宙船 「敵国を監視」「宇宙爆撃機」との見方も
更新動力は現在主流になりつつあるキセノンガスを使うイオンエンジンに似た次世代の電気エンジンで、スペースシャトルと同様、何度でも再利用できる。
しかし、分かっていることはここまで。米空軍研究所宇宙ミサイルセンターの司令官、トム・マシーロ少将は声明で「監視や偵察、ミサイル警報、気象予測など多くが宇宙科学に依存している」と述べ、X-37Bで軍事を含む広範な技術分野をテストする考えを示唆(しさ)。さらに「燃料コストを下げることで宇宙船運用の柔軟性や寿命が向上する」と説明し、新しい電気エンジンが新技術の運用にも寄与すると強調したが、任務の具体的な内容は明かさなかった。
一方、空軍のクリストファー・ホイラー広報担当はX-37Bの目的について「特定できないが再利用可能な宇宙船の運用概念の進展を後押しする」と述べるにとどめた。
「情報への欲求は底なし」
X-37Bは米ボーイングが開発し、1999年から実験がスタート。打ち上げは2010年4月から12年12月まで3回実施し、累計1369日間宇宙に滞在した。今回の打ち上げでは、前回3回目の宇宙滞在の自己最高記録675日の更新が期待されているが、米空軍はこれまで同様、滞在予定期間はおろか、その目的について秘密主義を貫いている。

