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戦争に奪われた「個人」取り戻す 「ディン・Q・レ展:明日への記憶」

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戦争に奪われた「個人」取り戻す 「ディン・Q・レ展:明日への記憶」

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 レはインタビューで、ベトナムに帰国してからについて、「私はアメリカナイズされすぎていました。頑張って適応しようとしても、なかなか変われませんでした。完全に帰国してから約20年が過ぎましたが、いまでも自分が100%ベトナム人だとは考えていません」と話す。まさにレ自身が、ベトナムとアメリカの文化で編み上げられたゴザなのだ。

 今年、日本は第二次世界大戦後70年。ベトナムも戦後40年の節目に当たる。「傷ついた遺伝子」は、一見かわいいベビー服。だが、結合双生児のものと分かると息をのむ。戦時中まかれた枯れ葉剤の影響を思わせ、いまだに戦争の傷痕が癒えていないことを思い知る。

 ポル・ポト侵攻から逃れて一時“難民”となったレは、中東の政情不安などによって増え続ける難民にも目を向ける。オーストラリアで発表した「抹消」は、難民が乗って難破した船、燃え上がる帆船の画像が組み合わされたインスタレーション。船の周りには、おびただしい古い写真がちらばっている。

このニュースのフォト

  • 「無題(#5)」(1998年)。Cプリント、リネンテープ。63.5×228.6cm(ラリー・ウォルシュ氏蔵、提供写真)
  • 「抹消」(2011年)。シングルチャンネル・ビデオ、カラー、サウンド、写真、石、木製ボートの断片、木製通路、コンピューター、スキャナー、ウェブサイト(erasurearchive.net)。サイズ可変、7分。Commissioned_by_Sherman_Contemporary_Art_Foundation,Sydney,2011_Supported_by_Nicholas_and_Angela_Curtis。展示風景:「ディン・Q・レ展:明日への記憶」森美術館=2015年(永禮賢さん撮影、森美術館提供)
  • 「傷ついた遺伝子」(部分、1998年)。シングルチャンネル・ビデオ、カラー、サウンド、手編みの子供服、ぬいぐるみ、人形(樹脂・プラスティック)、おしゃぶりサイズ可変、16分58秒。Commissioned_by_The_Gunk_Foundation,New_York(木奥恵三さん撮影、森美術館提供)
  • 「原付修理します」(部分、2009年)。デジタルプリント59.7×104.1cm(×9)。Courtesy:Elizabeth_Leach_Gallery,Portland,USA

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