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戦争に奪われた「個人」取り戻す 「ディン・Q・レ展:明日への記憶」

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戦争に奪われた「個人」取り戻す 「ディン・Q・レ展:明日への記憶」

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 人間に対する温かな目

 写真は、ベトナム戦争などの影響で、逃げる住民たちがやむなく残していったものだ。幸せだったころの生活や家族の肖像が写されていて、戦禍や政情不安で、あっけなく個々の生活が失われたことを端的に示している。

 一方で帆船は、1770年にオーストラリアに流れ着いたキャプテン・クックのエンデバー号を思わせ、もともと移民の歴史からスタートしたオーストラリアが最近、難民の受け入れ拡大に否定的な姿勢でいることを批判しているようにみえる。

 「原付修理します」は、街角でレが撮ったスナップ。カラフルな現代美術にもみえる無店舗営業の「看板」はいくつもあり、たくましく生きるベトナム人の生活を象徴している。レはこうしたベトナム人たちを愛しているという。レの作品を見ていて、どこか救われるのは、生きる人間に対する温かな目が感じられるからだろう。(原圭介/SANKEI EXPRESS)

 【ガイド】

 ■「ディン・Q・レ展:明日への記憶」 10月12日まで、森美術館(東京都港区六本木6の10の1、六本木ヒルズ森タワー53階)。一般1800円。会期中無休。(電)03・5777・8600。

このニュースのフォト

  • 「無題(#5)」(1998年)。Cプリント、リネンテープ。63.5×228.6cm(ラリー・ウォルシュ氏蔵、提供写真)
  • 「抹消」(2011年)。シングルチャンネル・ビデオ、カラー、サウンド、写真、石、木製ボートの断片、木製通路、コンピューター、スキャナー、ウェブサイト(erasurearchive.net)。サイズ可変、7分。Commissioned_by_Sherman_Contemporary_Art_Foundation,Sydney,2011_Supported_by_Nicholas_and_Angela_Curtis。展示風景:「ディン・Q・レ展:明日への記憶」森美術館=2015年(永禮賢さん撮影、森美術館提供)
  • 「傷ついた遺伝子」(部分、1998年)。シングルチャンネル・ビデオ、カラー、サウンド、手編みの子供服、ぬいぐるみ、人形(樹脂・プラスティック)、おしゃぶりサイズ可変、16分58秒。Commissioned_by_The_Gunk_Foundation,New_York(木奥恵三さん撮影、森美術館提供)
  • 「原付修理します」(部分、2009年)。デジタルプリント59.7×104.1cm(×9)。Courtesy:Elizabeth_Leach_Gallery,Portland,USA

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