【アメリカを読む】オバマ氏、曰く付きパイプラインの建設にNO
更新狙いはレガシー作り
国務省の判断を退けてまでパイプライン建設を否定したオバマ氏の脳裏にあったのは、気候変動問題での成果を自らの政治的遺産(レガシー)に加えたいという思惑だ。オバマ氏はCOP21で20年以降の排出量削減の枠組みについての合意が目指されるなか、建設を認めることで環境団体の失望を招くことを避けたいのが本音。声明では「率直に言って、建設認可は米国の指導力を損なう。われわれが直面している最大のリスクだ」との危機感を示した。
また今月4日にカナダでジャスティン・トルドー首相(43)が就任したこともオバマ氏の判断を後押ししたとみられる。COPでの排出量削減交渉で後ろ向きな態度をとってきたステファン・ハーパー前首相(56)に比べ、トルドー氏はリベラル色が強い。声明発表前にオバマ氏から電話を受けたトルドー氏は声明で、「カナダと米国の関係はひとつの建設計画よりもはるかに大きい」として、オバマ政権との友好関係を重視する姿勢を示した。
